薄桜鬼×銀魂
□第5訓 再会って泣きそうにならないもんだ。
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昨日の夜の出来事が嘘だったかのように、背中の傷は治っていた。
ふと、手に暖かい感覚があると思えば歳三が手を握っていた。
一晩中、妾の面倒を見てくれていたのか眠ってしまっている。
『…すまぬな。』
妾は、素早く死覇装に着替え屯所を抜け出す。
そして、零番隊隊舎へと向かった。
In隊舎
隊舎に行けば、そこにはギンと真子がいた。
ギ「…いくつもりなんやな?晋助君のとこに…。」
真「覚悟はできてんのやな?」
『あぁ。もちろんだ。』
しかし、行くにしても場所が分からなくては意味が無い。
こうなれば、縛道を使うことにしよう。
『ギン、真子、今から摑趾追雀を使う。』
ギ「分かってる。」
真「俺らは止めへん。その代わり付いていくからな。」
真子とギンはにっこりと笑っていった。
『はぁ、断ってもどうせ付いてくるだろう…。
まぁいい。縛道の五十六・摑趾追雀!!』
ガラララッ
ギ「東 五百四十九」
真「北 千七百五十五」
二人が数字を読み上げる。
『港に泊まっている、船だな…。だが、この時間では出航して、今は空だな…。』
はぁ、なんと運の悪い…。
!!そうか、その手があったか!
『「「バルボロスを呼べばいいだろう/ええやん」」』
三人の意見が重なったことにより、バルボロスに乗って船を目指すことにした。
『バルボロス、出て来い。』
隊舎の屋根に上り、呼びかけると上空から黒い竜が現れた。
バ〈何用だ…我が主よ。…何故そいつらもいる…。〉
バルボロスは、ギンと真子を見た瞬間、機嫌が悪くなった。
いつものことだ。
『すまないな。コイツらのことは気にするでない。
ここへ呼び出したのは妾のクソ兄貴が乗っている船まで連れて行って貰いたいからだ。』
バルボロスは一瞬、驚いたような表情をしながら、妾に向き直った。
バ〈…いいのだな?〉
『あぁ。兄貴には、伝えなくてはならないことがある。』
妾がそういうと、溜め息をつきながら乗せてくれた。
バ〈では、しっかり捕まっておれよ?〉
そう言って、バルボロスは飛び立っていった。