狂おう

□始まり
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あれ






ここは何処、私はだれ。






いやいや真面目に





見渡すと、ここは公園みたい
ポチポチと人もいる。





でも、何故公園に――











あれ、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで






思い出せない





私、今まで何やってたの―




思い出せっ…


無理矢理思い出そうとする――
すると途端に頭に激痛が走る――




『っ―うぁ―…』



あまりの痛さのため、声を出してしまった。





なんで、思い出せないの



そうだ、名前、名前は確か―…







ミオ―――





名字が思い出せない――…





なんでだ


頭の中はもう、?と何故、しかない。




とにかく落ち着いてみよう
整理するんだ自分


まず、ここは何処かの公園。
私はベンチに座っている。(目が覚めたら横たわっていた)
今は夜。
私の名前は、 ミオ。
前の記憶がない。
つまり記憶喪失。
格好は―――ん?
自分自身を見ると、自分で言うのもなんだとおもうけど珍しい格好をしている。



それに、この腰に巻いてあるやつ、



トントン、とつついてみる。



なんかの印??



わからない、全然。
なんだろう




でも、なんでだろう――――…




ものすごく、悲しい―




確かめるかのように、ギュッと胸元を掴む











ポタ――







あ、雨、降ってきた…




どうしょう濡れちゃうな

雨宿りしないと

でもなんだか、動く気になれない――



まあいいか、どーせ帰る場所もないし、どこに行けばいいかもわからないし








ふと思う



今までの記憶がない、自分の事もわからない


このまま、雨と一緒に私も、流されてしまえばいいのにね―…







―――――――――…









どのくらいこうしてるのだろう



もう乾いてる所がないくらい、濡れてびしょびしょだ。







ふと、誰かの足が目の前で止まる
と同時に私のところだけ、雨が止む



俯いていた顔をあげると




金髪少年が、傘をさしてニカッと笑っていた





え、


『……誰』


なんで自分、こんなに警戒してるんだろ
知らない人だから当たり前か?



「俺?俺はぁ、買い物の帰りにたまたま通りかかって?たまたま雨に打たれている美しい美女、つまり君。を見つけた、つまり君の王子さまさ!!」



『…は?』



早口で喋る男の子

一体誰だろう。



「こらもまた運命!!いや、必然かっ!いやそんなことはどうでもいい」



(…いいのかよ)



思わずツッコむ私。
このマシンガントークな少年に半ば呆れる。

その後も何かブツブツ呟いてるし。




なんか、気が抜けたな〜





「んで、君名前は?」





ドクン―…


名前、



『… ミオ 』




「そっか〜 ミオちゃんか〜。可愛いね! 」




『…はあ』



よかった、怪しまれなくて
まあそんな怪しまれないよね




「俺は紀田正臣!よろしくねえ ミオちゃん 」



と、右手を出される。

握手?



私も右手を出すと、そのまま引っ張られた。



『おわっ』




座っていた私は彼に引っ張られて立ち上がる。





「夜の公園に1人で、しかも雨に打たれてて何やってたのさ」





え、どうしよう。


『…いや、ちょっと、家出して』


「へえ〜、家出娘か!!こんな雨の中にいるのもなんだし、帰る気は?」


『ない(つか、家がないような)』


「そうかそうか。それは困った。まあ俺としてはこのまま君を置いて帰るのも、できるわけないし、男の名が廃る!!てゆうわけで〜、んーどーしようかー……
とりあえず、ついてきて☆」


『……はあ……はぁ?!えっ、どこ行くんすか!!』


「そんなの気にしなーい。それではしゅっぱーつ!!」


『ちょっ?!』



私の意見も聞かないまま手を捕まれ、私も一緒に連れて行かれた。


なんて強引な人

まあいいか。帰るとこもないし。


と、納得し彼の手に引かれたままそこにたどり着いた。






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