DEVIL SURVIVOR

□健やかな恋が育ってゆく
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じゃあ土曜日にでも行こうか、はい、行きたいところとかある?、えっと……、なんて会話を進めるうちに、天音は顔を上げていて、月光の手はそれに合わせて再び体のわきに垂らされた。最後に、不束者ですがどうぞよろしくお願いしますと腰を折られたときには思わず、いえいえこちらこそ、なんて返してしまって。その時天音の口元に浮かんだ僅かな微笑みを、見逃すことはなかった。

これはいい傾向だ、と月光は分析する。どうして自分が誘われたのかという当然の疑問には、天音の中の知人という括りでは、自分が一番声をかけやすかったのだろうという、なんとも生ぬるい、でも彼にとっての精一杯の解釈で納得してしまった。色恋じみた自惚れを知らない月光からすれば、今回のことは純粋に嬉しいことだったから。そして当の天音にしても、無事約束を取り付けられたことにこの上なく安堵していて。彼が優しい人で本当に良かったなんて考えているものだから、五十歩百歩なのだけど。

鈍感な少年と、無知な少女が待ち合わせるまであと三日。そしてその日、待ち合わせ場所でいつも通りの翔門会の服装に身を包んだ天音が佇んでいるのを見て、月光は結果的に彼女に私服一式を買って与えるはめになるのだけれど。
それもまだ、先の話だ。






















とろとろまったり進行の二人でした。頑張るアマネを微笑ましく思っている主人公だといい。
title by メテオライトと孤独の法則

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