□カルテット
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【嶺二の場合】


「やっほー!お・ま・た・せ♪愛しのれいちゃんの参上だよーん」

『待ってないし、今は来ないで!』

「んもぅ、ぼくのマイガールはつれないんだから〜…って、あれれ?麗(れい)ちゃん、どしたの?その姿」

「シャイニーに嵌められた…」

『シャイニーさんに?何かあったの?』

「シャイニーと事務所の廊下ですれ違い様に口の中にチョコみたいなの放り込まれて…」

『なるほど!それで猫耳と尻尾が生えてるわけだね』

「まったく!ウチの社長は人になんてもの食わせるにゃ!」

『おぉ!語尾までネコ語になってる!』

「嶺二…」

『め、めんごめんご。でもこんな麗(れい)ちゃんそうそうお目にかかれないからレアだよね〜。記念に写真とか撮っちゃう?』

「撮らなくていいにゃ!あっちいっててよ!」

『勿体ないなぁ。しかーし!実はぼくちん良いもの持ってるんだ!』

「…なに?」

『ジャジャーン!猫じゃらし〜なんちゃって』

「はぁ?なんでそんなもの持ってるのよ!」

『ぼくちんに不可能なことはないのだよ。ふふん!』

「いや、威張る意味がわからないし。だいたい、猫耳と尻尾がついたからってネコ…みたいな…こと…するわけが……にゃっ!!」

『おぉぉっ!本当に反応した!あ、それっ!それっ!それそれそれそれ〜っ!』

「にゃっ!にゃっ!にゃっ……ってなにやらすにゃーっ!!」

『あはは。つい可愛くて』

「もう知らないにゃ!嶺二なんて嫌いにゃ!」

『あ、れ?本当に怒っちゃった?』

「ふんっ!」

『麗(れい)ちゃーん?』

「……」

『…ごめんなさい。ぼくちんが調子乗り過ぎました』

「……」

『まだダメかー。それなら…っと』

「にゃ!?いきなり何するにゃっ!」

『ん。やっとこっち見てくれた』

「っ…///は、はやく降ろしてよ」

『ダメだよー。麗(れい)ちゃんに許してもらえるまで大人しくぼくの膝の上にいてもらうから』

「なんかおかしくない?それ」

『そう?でも君を離すつもりはないからね』

「にゃっ、れ、いじ…耳元でしゃべらな…いで」

『ネコになっても耳が弱いのは変わらないんだね。それじゃあココは?』

「にゃんっ!!」

『麗(れい)ちゃんの尻尾は毛並みがいいですな〜。ずっと触っていたくなる』

「や…っぁ、にゃぁ…っ」

『気持ちいい?瞳を潤ませて、息があがってるよ』

「ん、にゃぁ…、分かっ…ててやってる、でしょっ」

『どうかな?…あー、でもぼくの方が限界かも』

「んっ…?」

『君のそんな顔を間近で見てたら勃起っちゃった』

「っ!?嶺二のバカすけべ変態親父!」

『“親父”は流石のれいちゃんも傷つくよ!よし!ここからはお仕置きタイムだよん』

「なっ!やっ…め、ぁあっ///」






――――――――――――――

【蘭丸の場合】


「ランラン〜」

『っ!アイツみたいな呼び方すんじゃねぇ!!つか、今、チューニングしてんだから邪魔すん…な…っ!?』

「にゃあ?」

『いやまて。何がどうなってそうなっていやがるんだテメェは』

「私だってわかんないにゃ。目が覚めたらこうなってたにゃ」

『あー…。元に戻んだよな?』

「んー?多分?」

『多分ってお前…っ』

「こんな姿はやっぱりイヤ、だよね?」

『嫌っつーか、お前はいいのかよ?』

「蘭丸がこんな私でもいいなら、私はいいよ」

『俺は…』

「…ん?クンクン。……蘭丸からメスの匂いがする」

『メス?あぁ、今日はタマ以外にも猫が居たからな。一緒に飯食わしてやったんだよ』

「にゃ!蘭丸の浮気者!私と言うものがありながら、他のメスに現をぬかすなんて!」

『はぁ?!なんでそうなるんだよ!?』

「私のほうが蘭丸の事好きだもん!大好きだもん!蘭丸は?私の事好き?」

『だ、だいたい、んな事いちいち言葉にするなんてロックじゃねーだろうが』

「…そっか。こんな私はやっぱりダメなんだね…」

『お、おい。だからそうじゃねぇって…』

「それなら私、蘭丸の事満足させる!上手に出来たら“好き”って、言ってほしいな」

『なっ!?お前、どこに顔近づけてんだよ!?』

「気持ちよくさせてあげるにゃ」

『っ!?や、めろ…っん』

「はぅ…、んっ…んん」

『はっ、く…っ』

「ん、…ちゅ…っ。…その気になってくれたかにゃ?」

『…っ。ちっ、最初からそのつもりかよ』

「…うん。実はこの姿になってからすっごくエッチは気分になっちゃって」

『はっ、そうかよ。なら後悔したって知らねぇからな』





――――――――――――――


【カミュの場合】


『おい!貴様はいつまでそこに引きこもってる気だ!』

「コレが治るまで!!はっ!でもコレって治るの?まさかこのまま一生…?」

『何をブツブツ喋っているのだ!開けるぞっ!』

「なっ!ちょっ!待って……っ」

『………誰だ貴様は』

「ヒドっ!それがこんな風になっちゃった彼女に向かって言う台詞?!」

『俺が知っているお前にはそんな耳と尻尾は付いていなかったからな』

「正真正銘、皇(すめらぎ)麗(れい)だにゃ!」

『うむ。言葉までにも障害がでているのか。しかしコレは魔法の類いか…?だとするならば愛島の仕業か!?』

「いやいや、なんでもセシルくんのせいにしたらダメじゃにゃい?」

『ならば早乙女か!?』

「まぁ、そこは否定出来にゃいけど…」

『だが、俺のモノが俺以外の奴にいいようにされるなど、正直面白くはないな』

「え?そこですか?もう少し違う所を心配しません?」

『だが、俺が最近読んだ日本の文献に麗(れい)のような症状の者を治す方法があると知っている』

「本当に!?」

『あぁ。疑問や悩みはネットを介せば殆どの事が解決するからな』

「……ネット?」

『俺が見たものは動画でな、年端もいかぬ小娘にもお前のような猫耳と尻尾が生えていた』

「…それって」

『その小娘の病気は男の精液を与えると治る、というものだったな』

「…カミュ様?それは俗にいうエロ…」

『そういえば、その娘の着ていた服は、街中で制服と言われるものに似ていたな。あれが儀式で使われる正装なのだろうか?』

「…いや多分、それはただのセーラー服じゃないですかね?」

『という訳だ。貴様もあの動画の様にすればその猫耳と尻尾も消えるだろう。さぁ、寝室に行くぞ』

「は?一体どういう事…にゃ!尻尾は触らないで、っ…みゃあ!」

『ほう?やはり尻尾に触れると感度が良いのだな』

「やはりって……まさか!私がこんな姿になったのってもしかしてカミュのせ……んんっ」

『ん…っ。確証のないことを言うものではありませんよ?お嬢様。…我が国で極秘で作られた物をたまたま眠っていたお前に試飲させただけだ』

「にゃっ?!」

『しかし、まだ改良の余地はあるな。さぁ、制服は用意してある。後は俺の精液をお前に与えてやろう』

「だ、誰か助けて〜〜!!」






――――――――――――――

【藍の場合】



『…ねぇ、麗(れい)。キミは人間だよね?』

「はい、その通りです」

『なら、キミのその耳と尻尾は何?人間にはあるはずの無いものだよね?』

「それが私にもさっぱり…。昨日は仕事の打ち上げがあって…」

『打ち上げ?ボクはその話、聞いてないけど?』

「はっ!…ご、ごめん」

『…まぁ、キミの事だから言い忘れたんだろうけど。まさかその姿で行ったわけじゃないよね?』

「まさか!とんだ晒し者になっちゃうよ!嶺二と蘭丸もいたし」

『レイジとランマルも…?麗(れい)、あの二人に変な物飲まされたんじゃないの?』

「いやいや、まさか〜……っ」

『身に覚えがありそうだね。心拍数あがったけど?』

「………あのですね」

『…』

「私がまぁ、それなりに酔っぱらってる時にですね」

『…』

「嶺二がシャイニーさんに貰った〜とか言って、よくわからない液体を飲んだような飲まなかったような…」

『飲んだんだね』

「……はい」

『まったく…。まぁ、シャイニーの事だから、その効力も長くは続かないだろうけど』

「……あの、藍さん?」

『なに?まだ何かあったの?』

「怒って、る?」

『怒る?ボクが?キミに?』

「は、はい」

『そんなの今更だよ。キミは作曲家とはいえプロなんだから体調管理は勿論、身体に害を与えるものを摂取するべきではないね』

「その通りです…」

『…でも、それ以上にキミがレイジやランマルと一緒にいた事にイライラしてる』

「え?」

『ボク以外の男がキミに近づくのが面白くない。初めてだよ、こんな感情』

「藍ちゃ…、にゃっ!?」

『どう?ボクに押し倒された感想は?』

「ド、ドキドキしてるにゃ…」

『そう。じゃあ、もっとドキドキさせてあげるよ…んっ』

「あ、い…んっ…ぅんっ」

『ん…っ。ねぇ、この耳と尻尾本物なの?良く見せて。ふぅ…』

「にゃっ!な、何で今、息吹きかけたの!?」

『ネコでも耳弱いのかと思ってね』

「みゃあっ!尻尾は、ダメ…っ。藍ちゃん、さっきから何して…っ」

『何ってデータ収集だよ。こんなことなかなか出来ない貴重な体験だからね』

「こんなデータ取らな、いでっ…ぁあっ」

『なに?もしかして感じたの?』

「ちが…っん、にゃっ」

『ふ〜ん。まぁ、キミがいつまで我慢出来るか見物だね』




End♪

 

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