謙光

□ペンダント
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「あ、あれええなぁ。」

学校帰り、雑貨屋を通り過ぎようとしたときに謙也さんは言った。
赤色のペンダント。

時計のように丸く、しかし中身は月を閉じ込めてある。
宇宙を表現したのであろうそれはきらきらしている。


「ほんまっすね。」

「しまった、今持ち合わせが足りん。」


財布を見て、ガラスの向こうのペンダントを見る。

「お金なら俺が…、」

「嫌や!俺が買いたいんや!」


嫌や!
ってなんや!

出そうとしていた財布をしまうと、謙也さんは歩き出した。



そして、「うーん、どうにか工面できんかなあ…?」とゴニョゴニョ言っている。




謙也さんは俺より一つ年上の先輩。

だけどかわいい。
(反則や。)




好きになってしまったら後輩なんて。

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