謙光

□↘→結局↙
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「謙也さん。」



「………なんや。」


3年2組。
俺の教室や。



珍しく、
恋人の財前が来た。

恋人の!




で、








近いよ、財前君(笑)


なんて
笑ってる余裕ないねん。





かわええ、ほんま。


なんやねん。




「謙也さん、


保健室行きません?」

「えっ、
ケガしたんか!」








俺は本気で聞いたつもりやったけど
財前がどうも
可愛らしくモジモジしとる。


どうしたんや、ほんま。






「今日…、
保健室の先生
おらんのですわ…。」


「あ、せやな。

看病したるわ。
せやかて鍵はどうすんねん。」


「……ありますわ。」





財前は合鍵のようなものを
取り出した。

どっから
持ってきたんや、それ。





しっかし
財前が俺に頼るとは
珍しいこともあるんやな。




「ほな、行こか。」
「おおきにっすわ。」



教室から保健室に向かう。



外見はケガなさそうやな。


どこや?



とか
思っていたら着いた。




ほんまに誰もおらん。


電気を点ける。




「財前、
どこが痛いん?


………何しとんねん。」


かちゃ、と
鍵が閉められる。


財前は早々と
ベッドに横たわった。



「痛いとこなんて
ないっすわ。」


「はぁ?
なんやねん、それ。
ほな、なんで俺を…。」



「謙也さん、
……そそられないすか?」


確かに、
ワイシャツから
少し白い肌がのぞく。


それに
なんだかエロい。




「財前。
ふざけたらあかん。」




そう言ったら今度は


ワイシャツを脱いで
中に着ている物も脱いだ。



「……何しとんねん。」


「誘惑すわ。」

「なんでやねん。」




「足りひんのですか。」



「もうええわ!

ええ加減にしとき。」



「………怒らんといてください。」


「怒っとらん。
理由が知りたいだけや。」



「せやったら
ちょっとこっち
来てもらったらわかります。」



そう言われたら行くしかないやろ。



ベッドの脇まで来る。
すると
腕を引っ張られた。



「いったいやないか!」



痛みに目をつぶると
開けた瞬間
目の前に財前の顔があった。



「…なんや、これ。」



「押し倒したんすわ。」



せやな。



やから、なんでやねん!




「謙也さん、
部長と仲良すぎて
むかつく。



やから
俺のもんやって
思い知らせとこ思って。」




「……かわええな。」



もうダメや。
理性の限界や。





形勢逆転。

俺の方が力は強いで。





今度は俺が上に乗っかる。




「お前がいけないんやで?」



そう言って。





かわいい財前に
キスをした。
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