ハイキュー!!

□ヘタレ卒業宣言
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2人だけの部室。
西谷と俺。


暗い窓の外。
涼しい風。


「好きです旭さん。」
西谷はいつもそう言って俺に触れるだけのキスをする。

俺はそれを受け入れる。



二人の関係はそこまでしか進んでいない。

西谷はどう思ってる?
このままでいい?

そんなことを聞けなくて、
西谷を受け入れる。


「旭さん?」
「…ごめん。」


それだけ言って、強く抱きしめる。


「ちょ、旭さんどうしたんですか。」


いつもと違う俺に戸惑う西谷。

「何も、何もしないから。」

大切にしたい。
その気持ちは本当なのに。


心で矛盾してる。


「旭さん、好きです。」

そっと俺の背中に手を回すから
俺はもっときつく抱きしめた。



西谷が素直すぎて純情を預けてくるから
俺は先に進めない。

「旭さんは好きじゃないですか?」

その言葉に腕の中の恋人を見る。
ぱっと目が合うと恥ずかしそうに
俺の胸に顔をうずめた。

「旭さん俺にキスしてくれないから。」


どくん、と脈をうった。
「西谷、お前にキスしていいか?」

西谷は少し顔を赤くして
にかっと笑った。

「もちろんです!」

その頬を両手で支え、
左側から口内を犯していく。
なれない西谷の舌を
激しく転がす。


「っはぁ…、」

西谷の目が妖艶に光っている。
その目に俺は段々と後悔におそわれる。

「ごめん。」

西谷の両肩を掴み、
頭を下げ顔をみないように。

「旭さん、俺うれしいですよ?」
「え?」

「ようやく旭さんがキスしてくれたから。」



そんな風にまたにっこり笑うから
いろんなことがどうでもよくなった。


俺が惚れたのがこいつでよかった。




「大好きです、旭さん。」
「…キスしたくなるからやめて。」







END
(…あれ?ヘタレ卒業したわけじゃない?)

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