ハイキュー!!

□秘密の行為
1ページ/1ページ



最近、クロは俺で遊ぶ。


「研磨。」

並んで歩いていると、
突然前からキスをされる。


クロと両思いになった、らしい。



「クロ、見られてたらどうするの。」

「見られてないからちゅーした。」



ニヒルに笑うクロにため息をつく。

最近のことだ。
クロがキス魔になったのは。







「…今日の練習ここまで!」
「お疲れ様でした!」

したっ!と声を合わせて言うなり、
各々片付けにはいる。


モップでもかけようかと
倉庫に一人で向かう。
暗い倉庫の前に立つと、
自分の影がドアの光の中に立つ。

その影が大きくなった。

「俺もやるかー、」

クロがモップを手に取ると、
倉庫の扉の陰に俺を引っ張る。

「クロっ…。」

抵抗も虚しくキスすると
クロはさっさとモップを持って出ていく。


「…なんなのほんとに……。」




こんな風にキスをされるのは
ここ最近のことだ。

理由が、わからない。







「みんな飯食いにいくってさ。」

ん、と荷物を差し出されるので
ありがと、と返して
みんなの列の一番後ろにクロと歩く。


「クロ、最近どうかした?」
「…別に。」

その言葉の静かさとは裏腹に
目が輝いている、と思ったら
腕を掴まれて道の脇に連れ込まれた。


まさか、とは思った。

一応死角ではあるが、すぐそこにチームメイト。
そして道を行く人の視線がある。


「秘密の恋って、燃えるだろ?」


抵抗する俺を壁に押し付けて、
いつもより長く深いキス。


気づかれるんじゃないか、
そんな気持ちと

ただクロのことが好きだ、
それだけの想いが重なる。



「もう俺に夢中、だろ?」


クロに言わせれば秘密の恋。
だけど俺には刺激が強すぎて。


ひそめられないかもしれない。



どうか、
この鼓動が聞こえませんように──

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ