ハイキュー!!

□いつも通りの、
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いつからだろう。
あなたのことが好きです。


いつからですか。
あなたのことが好きだと
言えなくなったのは。


「とーびーおーちゃん!」

後ろから抱きついてくるその人は
及川徹。

俺の中学の先輩だ。

「わりぃな、」

その後ろから謝りをいれてきたのは
岩ちゃんと呼ばれている、

及川さんの恋人である。



「及川さん、何の用ですか。」
「偵察!」

俺の前に堂々とピースサインを出してくる。

この人は及川徹、俺の好きな人だ。


「ちげーだろ、アホ及川。」

パコと軽く頭を叩いた岩泉さんは
俺に向き直って言った。

「影山も。…練習試合だろうが。」
「…ういっす。」


はっきりいって青城との試合はめんどくさかった。

及川さんがいるし、
何より及川さんの隣に岩泉さんがいる。


そのふたりを見ているのが苦痛だった。



「ほらそろそろ練習戻るぞ。」


そう言ってふたりは帰っていく。
及川さんの目。


岩泉さんをとらえて離さない。


「…なんだよあの目。」

優しくて、嬉しそうで

俺には向かれない瞳。



「おい、影山?試合始めんぞ。」


そう大地さんに声をかけられるまで
及川さんをずっと見ていた。

「…うす。」



及川さん、気づいていますか。

あなたがあなたの好きな人を見ている時、
俺は悲しくなります。



あなたに好きだと伝えられない。

あなたの好きな人を俺も好きだから。




だから俺の想いは伝わらなくて いい。

伝わらなくていい。





それなのにこの人は今日も。

「今日も覚悟してね、飛雄ちゃん。」



この人は、 今日も。

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