ハイガクラ

□小悪魔とのたたかい
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藍さんがお酒を大量に飲んだ。
おそらく八仙の誰かに飲まされたのだろう。


その後で、1ヶ月ぶりに俺に会いに来た。



「よう、比企。」

足どりも悪く、
頬は赤らみ息は荒い。


「久しぶり、藍さん。」
「ちょっと飲みすぎちまった〜。」

地べたにあぐらをかいて座っている俺の前に座る。
そして背中を預けてくるので、
支えるために手を回した。


「だいぶ飲んだね。」
「酔う予定じゃなかった。」

しゅんと下を向くと、
そのまま顔は俺の足に預けられた。


「あれ?藍さん?」

どうやら寝てしまったようだ。



声にもならない寝息が、
足にふりかかる。


そしてもぞもぞと動くと、
俺の太ももを枕にして気持よく寝始めた。

「比企…、俺もう…。」

寝言のように、
足の上でごろごろしだす。



「ちょ、ちょっと藍さん!」

(そんなとこ!)



もぞもぞと無意識に動く、
この愛しい人は今ひととき
小悪魔だ。


「藍さん!…もう!」

しまいにはすりすり肌をよせてくる。
気持ちよさそうな寝顔で。


「比企…俺もう限界…。」



「何の夢見てるの藍さん…?」
すっかり俺の方が顔は赤くなって、
藍さんは目を覚まさない。



どんどん俺のカラダは熱を持っていく。

(あーもう!藍さんかわいいし!)



とどめをさすように、
藍さんはうつ伏せになった。
その瞬間俺の体はピンと張り、
藍さんを無理やり引き剥がした。



「…おはよう、比企。」
「…おはよう。」






「どうかしたか?」

真顔でそんなことを聞いてくる。



この人は、小悪魔だ。

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