その他おお振り

□昨日のコピーを剥がしましょう。
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…―何回目で伝わるんだろう。



「泉!」

「おー?」
「好きだ!!」


「はいはい。」



言い方は間違ってない、
とは思う。




なら、どうして。




好きになることは
止められないのに。


この関係は止まったまま。



「あ、浜田。」

遠くにいる浜田を見つめる。



―何が俺をイラつかせるの?


多分、
自分自身のせいで。




もっと強引に、とか
たくさん方法はあるけど
嫌われたくなくて何もできない。



「おい、田島?」
「っ、あ、何?」


「いや、ボーッとしてたからさ。」




「わりぃ、サンキュ…。」





あ、もうしんどい。





優しくて、好きだ。




可愛くて、


大好きだよ。







「泉は浜田のことが好き?」

「………は?」



「……ごめん、
なんでもない。」





「田島好きなヤツ…。」

「いるよ!!」




生ぬるい風。

浮かぶ、雲。




「俺だろ?」

「い、ずみ…どして…?」





図星。


あ、もうダメ。





「俺も好きだから。」




それだけ表情一つ変えずに
去っていく。



「え…今の。」







[俺も好きだから。]





そう言った。

泉が、俺を。






「…〜よっしゃぁ!!」









乾いた風。


切れる、雲。







晴れ渡る空をこんなに美しいと
教えてくれたのは君でした。







この際、

何も変わらない関係を



卒業しましょうか―…

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