その他おお振り

□story
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昨日は大好きでした。



「おう、はよ。」

「お。」




ぎくしゃくする朝。
雲の切れ間に太陽を探す。
暖かい風が吹き抜けて、
俺の少しのびた髪を揺らす。

こいつくらい短ければ苦労しねえよな。
でも、
この髪を好きと言われては仕方ない。
切れるわけねえじゃん。






「飯だ飯ぃ〜!!!」
「うるせーなぁ、ったく。」

『同じクラスだから』

飯を一緒に食うのも当然で。
三橋が阿部のトコ行ってて二人。
(浜田は先生んとこ。)



つくづく同じクラスでよかったなって思う。

「泉ぃー、
次移動だっけ?」
「おう。」


まだ食い終わらない田島に(どんだけ食うんだ)
軽く返事をすると
クラスメイトが話しかけてきた。


「泉ー、田島まだ食ってんなら
俺らと一緒に行かねえ?」


「あー…。」

ちょっと迷った素ぶり。


惑わせたい沈黙の昼。




「俺、田島待つわ。

さんきゅな。」




三橋がいなくてよかった。




「泉?」
「んだよ、早く食えよ。
俺まで欠課になるだろ?」



不意打ちのキス。


それは触れるだけで。

また何事もなかったかのように
食べだす田島がむかつく。



目頭が熱くなる。
顔がほてってきた。

恥ずかしい。




あ。

見てる。

「泉ってさー…。」
「あ?」

「美人だよなっ!」



「、…うっせ!

早く食えバカ!」
「うわひっでー!」










家に着くと起きてる気力がなくて
すぐに寝床へと足を運ぶ。




あいつにはいろいろ迷惑かけられてるけど
なんとなく、優しいってことはわかる。

思いやりとか、空気読むとことか。







そんな毎日だけど
今日も大好きでした。

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