その他おお振り

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どうせ、
叶わない恋ならなおさら

上手な愛しかた、
他にあるのに。



窓に置いた、
本がはらり
風にページめくられ
月にあらわ
さらされてる



救いのない最後の場面。





「田島!」


いつでも優しい栄口に
会いたい。


気の合う友達。


お前が言うならそれで。





無邪気に惹かれ騒ぐ
俺の心を憎めば
いいんだろう。






「どうかした?」


「えっ!」
「今日、元気ないなって。」


「いや!
なんでもねぇよっ!

さんきゅな!」








暗い部屋の隅、
ぼんやり光る。



液晶に浮かぶ
君のアドレス。





夜更けすぎに
話すほどの
特別な話題など。


昨日までも
今日からも
俺には思い付けないで。





「くそ!くそぉっ!」

負けた日は泣きそうになる。


泣きたくなれば
君を思う。



君を思ったら
また泣けてしまうから。




切ない記憶、
ひとつひとつ
白くて冷たい吐息に
消して。





「何も最初からなかった…。」






言葉にすると
余計につらくなる。


だっていつだって
距離は縮まらないから。




誰もが君の笑顔見つめ
俺だけうつむき
君のスパイク見つめる。



それでも傍にいられるなら
微妙な距離さえ
愛おしくて。


「さか…、」
「栄口!」
「あ、水谷。」



いつでも優しい君に
会いたい。



気の合う友達、
君が言うならそれで。



無邪気に惹かれ騒ぐ
俺の心を憎めば
いいんだろう。





「好きに、
なりたくなかった…。」

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