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□幼馴染な彼
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「蘭香!急ぎや!

 俺はとろいんが嫌いやって知っとるやろ!」




毎朝毎朝私を起こしに来る幼馴染の忍足謙也。


それなりにイケメンやけど…



「やかましいわ!

 大人しくしとれんのか!」



「すっすまん…」




このヘタレ具合。

めっちゃ勿体無いと思う。


だけど、毎朝起こしに来てくれるのは嬉しい。




「…おはよう謙也。

 起こしてくれておおきに。」



「大切な幼馴染のためなら、苦にならんっちゅー話や!

 はよ着替え。」



そう言って部屋を出て行く謙也。

幼馴染。いつも心に突き刺さるその言葉。


謙也が私を大切にしてくれのは私が幼馴染だから。



「謙也。
 謙也は私のこと好きか?」


思わずこぼれてしまった言葉。

謙也は躊躇わずに言った。



「当たり前やんけ。

 幼馴染嫌いなやつ居るかいな。」



「幼馴染としてやろ?

 私が言ってるんは女としてってことや。」



泣きそうになりながらも勝手に紡がれる言葉。

ああもう幼馴染ではいられない。




「蘭香。ただの幼馴染の家に毎日毎日起こすためだけに来ると思うんか?」


真剣みを帯びた謙也の目。


「ちがうんか?

 謙也は優しいから」



「違うわボケ!

 ―――俺はお前が好きや蘭香。」



謙也の目から真剣さと本気が分かる。




幼馴染から恋人になるその瞬間だった。



































(私も好きやで、謙也!)


(あ、当たり前っちゅー話や///)


(これからは恋人やな)


(お、おん///)














幼馴染な彼
が恋人になりました。




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