私は貴方の護衛です☆

□第九夜
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『燭さん、起きてください。』


「…んっ…」



燭はアンリに起こされ、目を覚ました。



『おはようございます。』


「…おはよう、アンリ。」



寝起きのかすれた声でアンリの名前を呼ぶ燭。


アンリはその色気に頬を染めながら、燭の腕の中におさまる。



「今日は壱號艇が无たちを迎えにくる。
 アンリもついて行ってやってくれ。

 无たちを引き渡すまででいい。」



燭は抱きしめたアンリの耳元で囁いた。


甘い雰囲気だが、これが二人の常だったりする。


燭はフッと笑った後、アンリと食事を摂り、アンリを見送った。




―――――――



『无くん、花礫くん、一狼三さん、おはようございます。』



アンリは壱號艇の迎えが来ているという場所へ向かう途中に无たちと会って、時間を確認する。



「ああ。

 壱組の迎えがね、ちょうど来てる頃だと…」


『少々急いだほうが、』



「なんでキイチが貳組のとばっちり雑用なんて」


「お仕事だよ、キイッちゃん。」


「肯定するなら面倒は全部喰君がっ…

 そこの三人!!」



いいのではないでしょうか、と言おうとしたのを、大きな声が遮った。


大きな声の発生源、キイチにはアンリが見えなかったようだ。



「遅刻ですよ!?

 走ってください!!」


「まーまー

 それはどうなの?
 まだ一分も過ぎてないんだし…」


「貳組のダメ臭がしますねぇ!」


「っ…」
「…」



キイチに圧倒されている二人を見かねてアンリが仲裁に入った。



『遅れてしまい、申し訳ありません。

 キイチちゃん、喰くん。
 私も今朝方聞いたもので…』


「あ! 
 アンリさんもいらっしゃったんですか。」


「お久しぶりです、アンリさん。」



アンリに気づき、顔を輝かせるキイチと丁寧に挨拶する喰。


そんな二人に微笑んで、无たちに視線を向けた。



『无くんと、花礫くんをよろしくお願いしますね。』


「もちろんですぅ。

 壱組は貳組と違って優秀ですからぁ」


「お仕事ですから。」



二人を見送った後、アンリは身を翻し、燭の元に報告に向かった。














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