私は貴方の護衛です☆

□第八話
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「!何だと!?」



燭の自室に燭の声が響いた。



『燭さん!
 どういたしましたか!?』



いつもより焦っている燭にアンリは急いで駆けつける。



「…そのまま研案塔に直行しろ。

 急げ。」



電話をきった燭はアンリに向かい合った。



「リノルで无達が能力者に襲われた。」


『!みんなは無事なんですか?』



努めて冷静になり、アンリは質問を投げかける。



「无、花礫は怪我はしているものの、無事だそうだ。

 與儀は意識不明だが、目立った怪我はない。

 ツクモは…
 能力者に連れ去られた、らしい。」



燭の言葉に、アンリは口元を覆った。

ツクモのことが頭にぐるぐると浮かんで消える。


燭は、言葉をなくしているアンリの頭を優しく撫でた。



「平門たち、貳號艇が捜索を急いで行っている。

 大丈夫だ。平門を信じてやるんだ。」



いつもの燭からは信じられないような言葉にアンリも頷いて微笑む。


无たちの到着は少し遅くなる、とのことで二人は仮眠を取ることにしたのだった。





―――――――



――コンコン



「燭先生。
 无、花礫、與儀の三名が到着いたしました。」


『すぐに行きます。』



近づいてきた気配で目を覚ましたアンリは燭を起こしにかかる。



『燭さん。

 三人が到着したそうです。』


「…んっ…あぁ、行こう。」




――ガチャ



「燭先生、アンリ様。
 お休みのところ申し訳りません。

 三人の到着が今になりまして…」


「研案塔の人間に刻など関係ない。」



寝起きで少し崩れた髪型をし、ネクタイをしていない燭に、アンリは白衣を手渡した。



「患者を目の前にすれば、それが与えられた使命の時。

 君も自覚を持ちたまえ!」



白衣を羽織りつつそう言い放つ燭に続き、アンリも言う。



『患者さんの時間は待ってくれませんからね。

 真夜中でも、関係ありませんよ。』


「與儀は処置室だな?」


「はいッ」



燭とアンリに男は勢いよく答えた。



「无と花礫は検診後、相談室で待機させろ。」


「わかりました!」

















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