私は貴方の護衛です☆
□第七夜
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―――Zの円卓―――
《何故自由を許しているのか、甚だ疑問にかんじますなぁ》
Zの円卓に呼ばれた燭と、その護衛として控えているアンリ。
「それにつきましては、私からご説明を。」
「燭君。いいだろう。
説明したまえ。」
「有難うございます。
まず、――」
燭はマクノベの質問に淡々と答える。
アンリはマクノベとビザンテの言い合いを馬鹿にしたように見つめた。
《奪われる危険性についての回答をいただきたい!》
「それについては私が。」
しかし、マクノベの保守的な質問に平門が答えるのを見ると、目を細める。
アンリは平門達と付き合いが長いため、二人の性格を熟知していると自負していた。
平門の回答も、その意図も、大体わかる。
自ら汚れ役を甘んじてかぶるところも。
「奪われて生じる不利益をご心配と推察いたしますが、そうなる時には――
この手で殺します。」
―――――――
「待て…平門!!」
Zの円卓が終わり、出て行った平門を追った燭に着いていくアンリはこれから起こることを予想して頭が痛くなった。
「どういうつもりだ!!」
「何がですか?燭さん。」
「会議で殺すと言った件だ!!」
その平門の隣に朔の姿を認めたアンリは久しぶりに会ったので、挨拶をしようと近づく。
「だが命を奪うということは、己の都合で決めていい事ではない!!」
そんな燭の言葉に自らも命を奪う立場のアンリは顔を暗くした。
顔を暗くしたアンリに気づいたのか、朔が話しかける。
「おう、アンリ。
久しぶりだな。」
『はい、お久しぶりです。
朔君、元気そうですね。』
朔は笑顔で接するアンリを見て、昔から変わらない、と思った。
アンリが全てを笑顔の下に隠していることに気づいたのはいつだったか。
今も昔も、燭にしか甘えず、いつも笑顔だった。
だが、そんな笑顔に救われてきたのもまた事実。
アンリに笑いかけてから、二人の喧嘩の仲裁に入った。