私は貴方の護衛です☆

□第六夜
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――コンコン



『燭さん。アンリです。』



ニジの森へ行った数日後。

アンリも燭もデータの解析や「嘉禄のノート」の解読におわれていた。


仕事が一段落したアンリは燭の休憩にと紅茶とお茶請けを持ってきたのだが…



「――…。」



ノックをしても返事をしない燭を不審に思ったアンリは扉を開ける。



「スー、スー。」



『最近はお忙しかったですから…』



机で寝ている燭にタオルケットをかけ、近くに椅子を持ってきて座った。

すると、燭の頬を指で優しくなぞる。


その感触に目を覚ました燭。

しかし、タイミングを失い、寝たふりをしていた。



「(…っ、どのタイミングで起きれば…)」



アンリはそんな燭に気づかない。



『…好きです、燭さん。
 愛しています。

 いつまでもと貴方は言ってくれたけど…
 枷になるのなら…』



燭はアンリの言葉に反応し、体を起き上がらせた。


目を丸くして驚くアンリを強く抱きしめる。



「アンリ。私も、愛してるんだ。
 アンリが私の枷になることはない。

 …いつまでも一緒だと、言ったはずだが?
 信じられないか?」



アンリは離さまいと強く抱きしめてくる燭を愛おしいと思う。



『燭さん…。

 馬鹿なことを言いました。すみません。
 それと、ありがとう、ございます。』



自分にしか見せない、甘えた笑顔を向けるアンリに燭は静かに口付けを落とした。













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