私は貴方の護衛です☆

□第五夜
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アンリはすばやく能力躯がもういないことを確認した。



『无くんも、怪我はありませんか?』



與儀が花礫を追いかけた方向を見ている无に問いかける。



「花…礫?

 どうした…の?」


「……。」


『與儀くんが追いかけました。

 大丈夫だと思いますよ?

 无くんに怪我はないんですか?』



無言の燭の代わりに无をなだめ、同じ質問を繰り返す。



「うん…でも…」



无が差し出したのは怪我をしている動物。

无の差し出した小動物を燭が診た。



「人間でいうところの打撲程度だな。」


『この子を助けるために飛び出したんですか?』



アンリの言葉にシュンと落ち込む无。



「うん。
 …俺が勝手に動いたからだよね…?」



「まったくその通りだが、根本を間違えるな。
 
 悪いのは襲ってきた奴等だ。」


フゥ…とため息を吐きつつ言う燭に少し无は顔を明るくする。

アンリは燭の言葉にクスッと笑った。



「…なんだ。」


『いえ…。
 燭さんのそんな優しいところが好きですよ。』


「じ、事実を言っただけだ。」



燭はアンリの思わぬ言葉にうっかり動揺するが、すぐに思考を戻すのは流石と言えるだろう。



「(死んだと思われる確率がかなり高い状況だった訳だが)」



思考を巡らす中、チラリとアンリを見る。



「(少し落ち着き過ぎではないか…?)」



そんな燭の思考を読んだようにアンリは答えようとした。



『実はさっき、…!』






――ガサッ












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