私は貴方の護衛です☆

□第四夜
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「では、ニジの森へ行く。」



燭の言葉に研案塔の調査員達もクッピーに乗り込む。

與儀の隣に燭、その後ろに无、隣に花礫、一番後ろにアンリという席。


與儀は顔を真っ青にしていた。



「え〜…では…ニジの森へ向けて…
 発射、します!」


「何をだ。」


「う、発…発進、します…」



燭の隣の席というだけで顔を真っ青にしている與儀に追い討ちをかける燭。

意識はしていないのだろうが、いじめているように見える。



『燭さん、これを渡さないといけませんね。』



アンリが燭に手渡したのは音の標。

それを受け取った燭は與儀達に配った。



「なんですか?」


「サウンド・マークだ。
 森で移動する際にはそれを地表に差し込みながら行く。」



燭の解説をアンリは懐かしく思う。



「あの森での重要な道標は、音になる。

 …ん?どうしたアンリ?」



知らず知らずに笑っていたらしいアンリに気づいた燭は不思議に思って問いかけた。



『いえ、懐かしく思いまして。
 
 …燭さんに教えていただいていた頃の話です。』



アンリの答えに苦い顔をする燭もまた、思い出していた。


…アンリと平門と朔を教えていた頃のことを。



「(アンリはよかったが、他の奴らは…)」



そんなことを考えている燭の隣で與儀は音の標を積み重ねて遊んでいた。


遊んでいる與儀を見たアンリはさすがに、呆れた声を出した。



『…與儀くん、何していらっしゃるんですか。』


「子供か君は…
 子供だったな。」


「いえ…大人です。」















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