リクエスト

□非連載主 燭
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アンリは定期検診のために貳號艇から研案塔へ无を連れてきていた。



『无ちゃん、連れてきたわよ。』


「あぁ、ご苦労。
 こっちだ。」



燭と会い、そのまま検診室へと向かう。



「无、これをつけろ。
 動くなよ。」



无がデータをとっている間、アンリと燭は別室でコーヒーを飲んでいた。



『燭先生、また平門からいろいろ伝言をあずかってるけど、訊くかしら?』



平門、と言った途端あからさまに眉を顰める燭。



「いらん。」


『そう言うと思ったわ。
 …でも、本当に気をつけてよ。』



呆れながらも心配してくるアンリの頭に大きな手が優しく乗った。



「大丈夫だ。
 …君は心配しすぎだ。」



滅多に見せない笑顔を浮かべる燭にアンリも安心したように笑う。



『…分かった。
 何かあったら飛んでくるわ。』


「あぁ、そうしてくれ。」


『あと、看護師さんに優しくする事。』



さっきとは打って変わって、厳しい目をする。



「…彼女たちは研究員でもあるんだ。
 部下に正しいことを言うのは当然だろう。」


『あの子たちは部下である以前に女なのよ!
 女の子は傷つきやすいんだからね!』



その後もつらつらとやれ女には気を使えだの、やれ働かせすぎるなだの言うアンリ。


苦笑するしかない燭は時計を見て、无がそろそろ終わる頃だと席を立った。



『燭先生、聞いてるの!?』


「あ、あぁ。」


『とにかく、優しくするのよ!』



身を乗り出し、目の前に指を突きつけてくるアンリの手を取って歩き出す。



『ちょっ、何よ?』


「无のデータは後で回すように。

 无は部屋に寝かせておけ。」



アンリを無視して指示を出し、自室に連れて行った。



『燭先生!?』


「二人の時は呼び捨てにしろ、と言ったはずだが?」



アンリをベッドに座らせ、見下ろす。



『…燭。
 これでいいんでしょう?』


「あぁ。
 それより…」



アンリへと指をのばし、顎をすくい上げた。


目が合って、吸い込まれるような感覚に陥る。



「こんなに優しくしているというのに、何が不満だ?」



ぐいっと近づいた顔のに背けようとするアンリをおしとめる。



『私じゃなくて、看護師の子たちよ。』


「優しくする必要性を感じない。
 愛する者だけに優しくすれば良いだろう。」



うっ、とひるんだアンリを見逃さず、畳み掛けた。


アンリに優しくキスを落とす。



「私は君を愛しているが、君はどうなんだ?」


『私だって愛してるわよ、燭…』


――チュッ


しばしの安らかな時を過ごしたのだった。
























―――――――
瑞桜様、リクエストありがとうございます!
こんなかんじでしょうか…?

やっちゃった感満載ですが、満足していただけると幸いです。









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