番外編

□番外編 その1
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――コンコン


『燭さん、アンリです。』


「入れ。」


『失礼します。』


――ガチャ。


「アンリ。
 どうした?」


『平門くんからお電話です。』



平門くんからかかってきた電話を持って、燭さんにそう言うと、電話を忌々しそうに見つめる。



「…用件は。」


『それが、直接話したいと…』


「…仕方ない。」



手を出す燭さんの手に電話を乗せると、もう片方の手で私の腰を引き寄せた。



『!燭さんっ…!』



ささやかな反抗も無駄で、意地悪く笑いかけられると、赤くなってうつむくしかない。



「…なんだ、平門。」


〈お久しぶりです、燭さん。〉


「用件は?」


〈相変わらず、せっかちですね。〉


「早くしろ。」



燭さんは、平門くんと話している間にも私の頭をふわふわと撫でる。



〈无と花礫という少年二人の診察をお願いします。

 能力者と接触したようです。〉


「…そうか。」


〈その際には、アンリをこちらへ寄越してくださいね。〉


「何故だ?」


〈話さなければならないことがあるので。〉


「…今回だけだ。」


〈ありがとうございます。〉



燭さんは話は終わったと電話をきり、私の顎をすくう。



『燭さん…』



私は、近づく燭さんの顔に目を閉じた。










―――――――
拍手より番外編です。

感想、リク、どしどしどうぞ!!






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