☆クロスウォーズ☆
□☆闇の中に
2ページ/3ページ
***
俺はこの世界のことがよく解らない
でもそれより気掛かりなのが俺とアカリ、ゼンジロウ以外の二人の人間のことだ
特に蒼沼キリハ
第一印象は黒さしか感じなかった
けれどだんだん白い部分が見え隠れして見えるようになってきたのだ
白い部分があるということはもしかしたらそこまで悪い奴じゃないのかもしれない…
とかチームの皆に話したら、
「アイツがイイヤツ〜!?そりゃいくらなんでもありえねぇぜジェネラル!」
「そうよ!あたし達にいきなり攻撃してきたりする奴のどこが白いのよ!」
「んまぁ白いといったらせいぜいあのジャケットと肌くらいかなあ」
とかなんとか言って全然理解してもらえないけど
だからこそ、一回二人きりで話がしてみたかった
なんだかあいつが“放っとけない”のだ
そんなことを考えながら俺は一人夜道を歩く
基本的に単独行動はやめた方がいいと思うが、このゾーンはまだバグラ軍が進攻してきていないし、心が落ち着かず目が冴えてしまって眠れない
「貴様…何故ここにいる」
突然空から聞き覚えのある声がしたかと思うと、木の上からキリハが飛び降りてきた
こいつもまた独りきりになりたくてそん
なところにいたのだろうか
「丁度良いところにいたな、キリハ。お前と一度話がしてみたかったんだ」
「話?良いだろう。何の用だ」
表情を変えずこちらをじっと見据える
彼の眼は光こそ宿ってはいないが、強い信念と生きることへの必死さを訴えるような青い炎で満たされている様に俺には見えた