w夢もどきw

□転生=?
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「かず…かずまぁー!!」



何故・・こんなことになった?



私達はただお互いを好いて・・・

一緒に組織を抜け出そうと…

ただそれだけなのに・・・それだけで?


「この…離せッ・・・一馬!待ってろ、すぐにそちらへ向かう…っくそ・・」

襲い掛かってくる 仲間たちを相手に、ただひたすらに…愛しいあの男に近付くために殴り、蹴り、踏みつけ…

なんとも嫌な体験だ。


一馬のほうもほとんど同じ…。
…いや、この西禄一馬(サイロク カズマ)はかなりの凄腕のはず。組織を任される可能性も十分にあった程だ。
今の状況が同じと言えるのは、敵の数が一馬のほうが圧倒的に多いからだ。倒すのに手間がかかる。

「“奴らを捕らえろ!”」
「“殺す前に捕まえるんだ!”」
・・・・何故?
私はこの組織で侵入者やターゲット以外は殺したことはなかった。だから原因がわからない。
同じ組織の男と組織を抜けるってだけじゃないか。

西禄一馬と私で…


「アン?なんだ、もうこんなに殺られちまったのかよ」
つまらねぇ、と言う割には随分と楽しそうな声が聞こえた。

さほど野太くもなく、女のように高くなく…そう、限りなくテノールに近いバスで、それでいてとても悪どい声。その声の主が、足元に居る―いや、すでに死んでいるのだから‘ある’でも間違いではないだろう― 若い組員を蹴り上げる。
まだ数人が必死で私達に立ち向かっているのに、のんびりと見学している、嫌な男。

「かず…「よォ、久しぶりだなぁ…久氏ンとこの弟よォ」
私の言葉なんか聞こえていないかのようにあっさりと遮り、一馬に言う。
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