ガンダムOO

□ambivalence
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「…好きだから、今を刹那と過ごしていたいと思ったから、なんて 身勝手だよな、俺」


苦笑混じりの声。

刹那の表情は見えないままだけれど その言葉がちゃんと届いている事は分かっていたから、

「ごめんな」

ロックオンは最後にそう告げて、刹那の隣を通り抜けていった。






「…」

一人残された刹那が、小さく唇を噛み締める。



断ち切る決意も、切り捨てる覚悟もできていた。

全てを終わらせる為ならば、何だって犠牲にする。
余計なものは何一つ要らないんだと、

そう思おうとした のに。


「…弱い、だけなんだ 俺は」


失う事が怖くて、
それが "大切"になる前に突き放そうとした。

結局、自分が傷付くのが嫌だっただけ。



"守る"とか そんな無責任な事は決して言わない。

ここは戦場で、自らが選んだ道。
それで死のうが何だろうが それは自分自身の責任だから。


…だから、

ただ、後悔をしないよう 今を生きる。

それが あいつの選んだ生き方。



「…俺は…」




俺は、そんな風に生きていけるんだろうか。


…そう、一緒に。



end.
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