ガンダムOO
□回顧。
1ページ/3ページ
忌まわしくつきまとうその記憶は
その残像は
いつまでも消えることなど無いのか。
---回顧。
気の休まるときなど無かった。
戦場において たとえほんの僅かな油断でも、それが命取りになる。
己の身を守ることだけに必死で、殺さなければ殺される 世界。
立ち込める人の腐臭と火薬の匂い。 微かな音にさえ反応しなければならないほど、張り詰めた空気。
次々と仲間が死んでいく。 悲しむべきなのか、それとも哀れだと嘆くべきなのか。 何と 思うべきなのか。
もう、それすらも分からない。
「…夢、か」
重い瞼を開ければ そこには見慣れた天井があった。
一筋の汗が流れ、刹那は知った。
自分が魘されていたのだと。
あの頃の--クルジスにいた頃の 夢を見ていたから。
--最近は見る事も無かったのに。
刹那はゆっくりと上半身を起こす。 震えた手が酷く情けなく感じる。
原因は何となく分かっていた。 戦場に戻ってきたからだ。
ガンダムと、エクシアと共に。
「…」
すっかり目の覚めてしまった刹那は、おもむろに上着を羽織り 部屋を後にした。
部屋の外は、少し肌寒い。
.