Tales
□拍手文
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私立レジェンディア学園高等部。 憂鬱な期末テストの結果が返却され、生徒達は一喜一憂していた。
「はぁ…」
ジェイは答案の内の1枚を見て溜め息。
「なんじゃジェー坊、0点でも取ったんか?」
不意に話し掛けられたジェイは 一瞬怪訝な顔をする。 が、相手がモーゼスと分かると変な安心感があるようで、
「ほらコレ、絶対100点だと思ったのに98点だったんですよ」
なんて淡々と言うのだった。
「で、あなたはどうだったんです?」
「ワイは全部赤点じゃ」
どこが自信さえ感じられるほど モーゼスはきっぱりと言い切る。
「…はぁ?」
呆れた表情のジェイ。
「1年留年してるクセによくそんな点取れますね…また留年する気ですか?」
そう、本来モーゼスの学年はジェイより1つ上。 だが、そこはバカ山賊の異名を持つだけあり 結果今に至る訳だ。
「あー それは困るの」
「一応自覚はあるんですね」
「そりゃあ…ジェー坊と違う学年なんかになったら、会える時間が減るじゃろ?」
ジェイは手にしていた答案を落とした。 そして、顔を真っ赤にして俯きながら呟く。
「…バカ山賊」
それは、モーゼスには聞こえない。
end.