D.Gray-man
□£Milk and Honey£
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「何その声ッ!?」
「たかが軽い風邪だ。気にすんな」
「風邪!?じゃあ温かくして寝とかないと!!」
「何ともない、大丈夫だから、」
「ダメっ!!」
£Milk and Honey£
すれ違いざまの「どこ行くさ?」という何気ない問いに「鍛練場」と答えた恋人の声は、痛々しい程枯れていて。
「降ろせ降ろせ」と騒ぐ恋人をお姫様だっこし、部屋まで連行した。
「一人で歩けるっつっただろ、馬鹿うさぎ!!」
部屋についてようやく降ろしてやると、さっそく文句を言ってきた。
きっと、熱が上がってきたのだろう。足元がふらついている。
「ふらふらじゃんさ」
「んだとコラ!?ふらついてなんか…‥うぁッ!!」
「あッ…………‥ぶね」
ほら、つまずいた。
俺が支えなかったら絶対コケて傷作ってたさ。
「………‥」
「………‥チッ。わぁったよ、寝ときゃいいんだろ、寝ときゃ」
ジトリと睨むと堪忍した様子で、至極不機嫌そうにベッドへ潜り込む。
そんな彼の頬に軽くキスを落として。
「薬貰ってくるさ。おとなしく寝といてね、姫」
「……‥ん。」
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