D.Gray-man

□rain
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「日本ではこの時期"梅雨"って言うんだろ? ユウ」

「だったら何だ」

「ん? 別にぃー…ただ」

--今頃、ユウの故郷では雨降ってるんだろうなって。


これは、去年の6月6日のアイツとの会話。

あれから また一年の月日が過ぎた。


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「--今回もハズレだ」

「うん、ご苦労様」

任務を終えた帰り道、ファインダーの背負う電話を通し いつものように滞りなく報告を済ます。
実際、任務ではアクマの関わりこそあれ イノセンスの回収率は低い。 だから大抵はこのやり取りの繰り返しだ。 ここでコムイが次の任務を提示しなければ、一旦教団本部に帰る事となる。

「で、この後なんだけど…」

「帰ってきて良いってさー!」

…不意に、あの馬鹿兎の声が聞こえた。 言いかけたコムイの声が綺麗にかき消されている。

「何だよ、何か用か?」

「ユウの声聞くのも二週間と三時間十二分ぶりさー、あ 溜め息つかない!」

こっちはアクマと戦ったばかりだというのに、なんて考えると 思わず溜め息だってつきたくなるものだ。
…別に苛つきはしなかったが。

「だから、用が有るならとっとと…--」


--ポツ。


頬を、優しく何かが伝った。

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