short story

□3時のおやつ
1ページ/2ページ


■あてんしょん。

・レンくん目線
・ギャグ:恋愛 → 8:2
・甘々です。とても。ハイ。
・そしてレンくんキャラ崩壊気味。







「レンのばかぁ!」


「悪かったって」


「あれ、ずっと楽しみにしてたのにぃ!」




俺の頭に、ひたすらミカンの皮を投げつけるリン。

今の状況 = 俺がリンに襲われてる。

現在の力関係 = レン < リン


まずい、まずいぞ、俺。
このままだと許してもらう所か、嫌われることもある気がする。






そもそも、なんでこんな事になったかと言うと、時間を遡ること30分間前。


時刻は3時。

いつもの二人そろってのおやつタイムに事件はおこった。




 *  *  *





「勉強つまんなーいっ」



足をじたばたさせて俺にうったえるリン。

いつものリンも可愛いけど、わがままリンも可愛い。
…まあリンに限るけど。(他のヤツだとウザい。特にクソネギ男)




「つまんないのが普通だから。
 もうすぐでおやつだし、頑張ろ?」




そう言って、なだめる様にリンの頭を撫でる。
リンは、おやつという言葉を聞いた瞬間、ぱああと顔を輝かせた。




「じゃあ、この問題解いたらおやつにする!
 レンは先、おやつ食べてて!」




そう言うと、せっせと勉強を始めるリン。
軽くおやつに敗北感を抱え、リビングへと向かう。

リビングに着くと、早速冷凍庫をあさる。
今の季節は夏。
アイスが一番美味しい季節だ。




「お、なんだこれ?」




冷凍庫をあさっていると、美味しそうなパッケージのアイスを発見。

『夏みかんの果肉入りアイス』

これだ! と思い、袋を破いて、中の棒つきアイスをしゃぶっていた。


数分後。



「勉強終わったぁっ!」




はしゃぎまくっているリンがリビングに入ってきた。

今日は、異様なまでにリンのテンションが高い。




「…リン、今日テンション高くね?」



「えへへ。今日ね、リンが前おこづかいで買ったアイス食べるんだ!」




うきうきして話すリン。
本当に嬉しそうだ。
敗北感がアイスに向けられる。




「…へぇ。どんなアイスなの?」



「えーとね、確か、夏みかんの果肉入りアイスっていうんだよねー!」



…ん?

その名前、すごく聞き覚えがある気がする。
俺は握りしめていた、さっきの棒つきアイスの袋を見る。



『夏みかんの果肉入りアイス』



…あ。




「リン、それってさ、これのこと?」



リンに袋を見せると、リンはこくこくと首を縦に振った。



「そうそう、それ!」




「……。」

「……。」




「レン、食べちゃったのぉ!?」




長い長い、沈黙の後、リンが口を開いた。

これ、リンのだったのか。
確かに美味しかった。
丸ごとの果肉が、冷凍みかんみたいに、シャリシャリしてて。

俺はリンのアイスの袋を見つめてから言った。




「そうみたいだね。」


「レンのばかぁ!」




リンはそう叫ぶと、昨日のおやつで食べたであろう、みかんの皮をひたすら投げつけてきた。





 *  *  *
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ