short story
□3時のおやつ
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■あてんしょん。
・レンくん目線
・ギャグ:恋愛 → 8:2
・甘々です。とても。ハイ。
・そしてレンくんキャラ崩壊気味。
「レンのばかぁ!」
「悪かったって」
「あれ、ずっと楽しみにしてたのにぃ!」
俺の頭に、ひたすらミカンの皮を投げつけるリン。
今の状況 = 俺がリンに襲われてる。
現在の力関係 = レン < リン
まずい、まずいぞ、俺。
このままだと許してもらう所か、嫌われることもある気がする。
そもそも、なんでこんな事になったかと言うと、時間を遡ること30分間前。
時刻は3時。
いつもの二人そろってのおやつタイムに事件はおこった。
* * *
「勉強つまんなーいっ」
足をじたばたさせて俺にうったえるリン。
いつものリンも可愛いけど、わがままリンも可愛い。
…まあリンに限るけど。(他のヤツだとウザい。特にクソネギ男)
「つまんないのが普通だから。
もうすぐでおやつだし、頑張ろ?」
そう言って、なだめる様にリンの頭を撫でる。
リンは、おやつという言葉を聞いた瞬間、ぱああと顔を輝かせた。
「じゃあ、この問題解いたらおやつにする!
レンは先、おやつ食べてて!」
そう言うと、せっせと勉強を始めるリン。
軽くおやつに敗北感を抱え、リビングへと向かう。
リビングに着くと、早速冷凍庫をあさる。
今の季節は夏。
アイスが一番美味しい季節だ。
「お、なんだこれ?」
冷凍庫をあさっていると、美味しそうなパッケージのアイスを発見。
『夏みかんの果肉入りアイス』
これだ! と思い、袋を破いて、中の棒つきアイスをしゃぶっていた。
数分後。
「勉強終わったぁっ!」
はしゃぎまくっているリンがリビングに入ってきた。
今日は、異様なまでにリンのテンションが高い。
「…リン、今日テンション高くね?」
「えへへ。今日ね、リンが前おこづかいで買ったアイス食べるんだ!」
うきうきして話すリン。
本当に嬉しそうだ。
敗北感がアイスに向けられる。
「…へぇ。どんなアイスなの?」
「えーとね、確か、夏みかんの果肉入りアイスっていうんだよねー!」
…ん?
その名前、すごく聞き覚えがある気がする。
俺は握りしめていた、さっきの棒つきアイスの袋を見る。
『夏みかんの果肉入りアイス』
…あ。
「リン、それってさ、これのこと?」
リンに袋を見せると、リンはこくこくと首を縦に振った。
「そうそう、それ!」
「……。」
「……。」
「レン、食べちゃったのぉ!?」
長い長い、沈黙の後、リンが口を開いた。
これ、リンのだったのか。
確かに美味しかった。
丸ごとの果肉が、冷凍みかんみたいに、シャリシャリしてて。
俺はリンのアイスの袋を見つめてから言った。
「そうみたいだね。」
「レンのばかぁ!」
リンはそう叫ぶと、昨日のおやつで食べたであろう、みかんの皮をひたすら投げつけてきた。
* * *