BOOK
□やきもち
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ウヨンは走っていってしまったようで
廊下に出るともうウヨンの姿はなかった
コンコン…
『ウヨン?』
ゆっくりとドアを開けると
ベッドの上で布団にくるまりながら
泣いているウヨンがいた
僕はゆっくり近づき優しく声をかけた
『ウヨン、ごめんね。教えて?黙ってたらわかんないよ』
丸くなってるウヨンの横に腰を下ろし
隠れきれてない頭をなでる
『ウヨン…』
するとゆっくりと布団からウヨンが顔を出し、話し始めた
「……………この間テレビでランキングした時、」
『うん』
「ジュノに1番彼氏にしたいって言われて喜んでたじゃん…グスッ」
『あぁ』
「……………」
『・・・それだけ?』
と言うとウヨンは勢いよく起き上がって
「それだけじゃないよ!その後ずっとニコニコしてたじゃん!もうクン兄なんて知らない!」
と一気にまくし立て、また布団にくるまった
『あぁごめんね…でもそれ「クン兄なんてジュノと付き合っちゃえばいいんだ!!」
嘘だとわかっててもちょっと悲しかった
『…ウヨンは、それでも平気なの?』
そう聞くとウヨンは小さく首を横に振り
「………やだ」
と小さく呟いた