頂き物

□マザーグース〜番外編〜
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「愛華ちゃん、今日はなにしてあそぼっか♪」



「またかくれんぼ?」



「それもいいけど、ここで彷徨いたら僕綱吉くんに怒られちゃうんだよね〜。」



綱吉が言ってた。白蘭は消息不明だったって。そんな白蘭はこの間突然現れた。理由は不明。



「だから今日はお医者さんごっこしよっか♪」



「却下だよ。」



突然現れた恭弥は何故か怒っていた。



「雲雀ちゃん、邪魔しないでよ。」



「君が変な事考えてるからでしょ?」



「だって、愛華ちゃんすっごく可愛いんだもん♪」



そりゃそうだ。だって両親はどちらも美形だった。だから彼らを選んだ訳ではないのだが…



「所詮顔だけ。中身は汚い麻里のまんまだよ。」



その言葉に二人は呆然とした。あれ?今うち口に出した?



ハァ、恭弥の溜め息と共に白蘭に抱き上げられた。



「やっぱり君は昔のままだね。」



そう、昔の弱い棚橋麻里のまま…



「だから君は綺麗なんだよ。」



「どんなに外見が可愛くても、中身が空っぽじゃ意味がないからね。」



訳、分かんない。どうしてそんな優しい顔すんの?



「君はとても綺麗だよ。」



訳…分かんない。








「結婚してくれ。」



「あんたバカ?」



「いや!ちゃんと十六まで待つから!な?」



「死ね。消えろ。」



そんな言葉にすがりつくが蹴飛ばされて終わり。めげそうになる心に喝を入れたその時。



「もう…大切な人が死ぬのを待つのは嫌なの。」



哀しげにそう言った彼女を思い切り抱き締めた。



「なら…勝手に側にいる事くらい許してくれよな。」



「…知らない。勝手にしたら?」



魂に惹かれた、なんて物語りの中だけだと思ってた。でも今は信じられる。



あの日から、人を愛する事を止めた心がこんなにも彼女が愛しいと叫ぶのだから。



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