頂き物

□マザーグース〜最終章〜
3ページ/20ページ




「やはり来ましたか。」



「彼奴は僕が殺す。」



「駄目だよ〜、雲雀ちゃん♪ちゃんと四分割しなきゃ!」



「…掻っ消す!」



あらゆる情報網を使い辿り着いたのは然程大きくもない敵対マフィアだった。



僕らは闇夜に紛れ一斉に駆け出した。一欠片も残さない。全て…何もかも消してあげる。彼女を殺した罪を償わせてあげる。








「はやとに〜。」



「ん?どうした、聖斗。」



「これ、あけて〜。」



受け取ったのは、彼女が管理している机の鍵だった。何故聖斗がそんなものを?首を傾げながらも机を開いた。



「…これは…?」



そこには大きな封筒が二つ入っていた。一つ手にとり中を見れば中には紙と古びた通帳が三つ、綺麗な通帳が一つ入っていた。



紙を手にとり中を開き読み上げた。



『うちの可愛い子供達へ。多分、うち死んじゃったんだよね。はぁ、ごめんね、ダメな母親で。


けど、皆への愛情は誰にも負けないつもりだよ。皆みんな、世界一愛してるよ。


うちに遺せるものなんてなにもないけど…四人で分けてね。


あ!聖斗の分は綱吉に預けておいて。大きくなったらあげる様に頼んでおいてよ。


あとは…フフ、変なの。あんなに死にたかったのに、今は死ぬのが凄く恐い。死にたくない…


あ、時間だ!じゃあ…またね。』



なんだよ、これ…震える手で通帳を開けばそれはもう十年以上前のものだった。聖斗のは…九代目が亡くなってからのもの…



「…なんでだよっ!」



なんで彼女ばかりこんな目に会うんだよ!彼女の過去は決して楽しいものではなかった。だから未来は、幸せにしてやりたかった。



「…なんで、だよ…。」



流れる涙そのままに手紙をくしゃり握り締めた。



「はやとに〜、どっかいたいの?」



「…あぁ…心がな…。」



「いたいのいたいのとんでけ〜!」



そんな聖斗を抱き締め声を枯らして泣いた。



どんなに泣いても、彼女は帰ってこないのに。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ