頂き物

□マザーグース10
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「これは…。」



九代目の死を聞き付けた敵対マフィアが動き出した。そう連絡を受けたのが三十分前。



目の前に広がる氷のガラクタに目を見開いた。



「ロマーリオ、至急ボンゴレに連絡を!」



「それが…一向に繋がらねえのさ。」



「…何が起きてる?」



それは昔一度だけ見た事のある光景だった。



「今すぐヴァリアーに向かう。」



此処からならボンゴレに行くより近い。そう判断しヴァリアーに向かった。





「ヴォォォイ!ど〜ゆう事だ、跳ね馬ぁぁぁ!」



「お前らも分からないのか?」



「ボスと連絡がとれないのよ〜。」



「…そうか。じゃあボンゴレに行ってみる。」



「クソボスに携帯の電源を入れておく様に言っておけ!」



「…ああ!」



車に乗り込み携帯を操作した。それは以前、無理矢理聞き出した彼女の番号。



『お掛けになった電話は、ただいま電波が届かないか貴方とお話したくないか…。』



「チィッ!」



何が起きているんだ?








静かな部屋に三人の声が響き渡る。



「つぅか、愛しすぎだろ。」



「ハッ!新婚か、彼奴らは。」



「…羨ましい、な。」



「止めとけ、クローム。胸焼け起こすから。」



「クッ、違いねぇ。」



なんなんだ、こいつら…閉じ込められている事を忘れているのか?



「お前らは、信じられるのか?」



それに三人は満面の笑みを浮かべた。



「今更だな。」



「母さんは、一途ですから。」



「私は…お母さんを愛してるから。」



「ただ…彼奴、ムチャしなきゃいいんですが…。」



「死ぬ前に誰か拾うだろ。悪運だけは強いからな。」



「骸様に…お願いしてみる…。」



一見バラバラな三人がこうして仲良く話をしている。



これが、彼奴の仕業だっていうのか?



やはり謎は深まるばかりだった。



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