頂き物

□マザーグース5
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「ハァ…ハァ…クッソ!」



思わず悪態を吐いてしまうのも仕方ない。三日、もう三日も寝ていないのだ。



その原因はそう…今まさに後ろから着いてくる団体さんのせいだ。



「なんなのさ、もう!」



携帯の充電はとっくに切れてしまいノーノに連絡をとる事も出来ない。心配してるだろうな…しかしこれに関しては自分も未だ理解に至っていないのだ。



薬持ってて良かった…腕時計を確認し薬を口に放り込む。



ハァ…息を吐き出し足を止めくるり後ろを振り返る。



「なんなの、あんた達?」



現れた黒い集団に問うがただ一言、



「我等レヴィ隊08!」



だからなに?襲い来るそれを軽く交わしポケットからボンゴレリングを取り出し指に嵌める。



「もう何番でもいいから死ねや!」



力を解放すれば辺り一面氷に覆われる。



「うち、今機嫌悪いの。」



パチン、指を鳴らせば氷人形がガラガラ音をたてて崩れ落ちた。



ハァ…こんなの、イタリアにいた頃ぶりで魂が揺さぶられる。所詮自分は殺戮者。綺麗な世界なんて無理だったんだ。



再び現れた訳の分からない団体さんに駆け出した。



そこでふと感じた違和。



あ、此処は…



見上げればそこは黒曜ヘルシーランドだった。まさかこんな所まで来ていたとは…。



見える限りの敵を排除し中に逃げ込んだ。



最上階の奥の部屋。骸が座っていたソファーにバフン倒れこみ薬を口に放り込み奥歯で噛み砕いた。



(どうか生きて起きれます様に…。)



別に死んだって構わないのだが凪が心配だった。こんな事ならもっと早くに隼人に会わせておくんだった。



後悔なぞ今更したって遅いのに…






「犬、千種…彼女の眠りを守ってあげさない。」



「分かったびょん!」
「了解しました。」



死んだ様に眠る彼女に軽く触れ口許を緩める。



「とんだじゃじゃ馬姫ですね…。」







目を覚ましホッとすると同時に絶望する。それはいつもの事だから頭を振り意識を切り換える。



取り敢えず、この状況をなんとかしなければ家にすら帰れない。



ギュッと右手を握り締め勢い良く立ち上がった。



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