頂き物

□マザーグース4
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放課後、授業の片付けを終え校舎を後にしたのはもう七時を過ぎた頃だった。



乗り物という人混みをさけ徒歩という手段をとった為そこに着いたのはもう八時に近い時間だった。



綺麗に書かれた地図を確認しその建物に侵入する。そこはすでに廃墟となった教会だった。



辛うじて椅子は残っているが祭壇はぐしゃぐしゃだった。



その残された椅子を一つずつ確認していくと前から三番目の椅子の裏にやはりそれはあった。



あの人らしいな、そんな事を思いながらそのスイッチを押せばモーター音が響き渡った。



立ち上がり祭壇をみればそこには階下へと続く階段が現れていた。



躊躇なく階段を降りればそこは立派な研究所となっていた。



時間が遅いからだろうか、そこには誰もいなかった。遠慮なく奥へと歩いていくと不自然な…いや、恐らく彼を知らなければなんの変鉄もない壁なのだろうが…その壁の前で立ち止まりヒールを鳴らす。



コンコン、カン。一ヶ所だけ音の違う床にそっと掌を翳した。すると壁はモーター音と共に真っ二つに開いた。



中はそれほど広くなく机が一つ置かれているだけだった。



その机に、写真が一枚。



「…ママ…パパ…!」



それは当時皆で撮った写真だった。



(ありがとうございます…ヴェルデ所長。)



暫く感傷に浸りそれを大切に鞄にしまい研究所を後にした。



外はもう真っ暗だった。星もない空を眺めながら歩いている、その途中。



「十本目終わったびょん!」



「早く帰ろう。」



そこには倒れる並中生が残され慌てて救急車を呼んだ。



(あの子達が…。)



そう思い直ぐに二人を追い掛けた。






「…黒曜ヘルシーランド?」



確かに二人はそこに入って行った。



そこは遠目から見ても既に営業を終え所々朽ちていた。



時計を確認すれば既に十時。



ノーノに電話しなければ心配するかもしれない。



一応の為ドライブモードに切り替えポケットにしまいこんだ。



「よし、行くか!」



見知らぬ制服を着た男子校生を追い掛けるべくそこに足を踏み入れた。



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