頂き物
□マザーグース4
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最近、変な事件が多発している。
襲われた奴らは皆並中生。どう考えても喧嘩を売っているとしか思えない。
そしてそんな彼らの共通点が歯だった。やられた奴らは皆歯を抜かれていたのだ。
「委員長!また、被害者が出ました!」
「歯を十四本、ね。」
何を考えているのかは分からないが風紀を乱す以上放っておく気はない。
「咬み殺す…!」
トンファー片手に見回りに出掛けた。
「歯を、ねえ…。」
空き時間に訪れた応接室には隼人もいた。
「随分悪趣味じゃねぇかよ。」
「見付けたら咬み殺す。」
不機嫌な恭弥に苦笑を洩らし、そういえばと携帯を取り出した。
「うち、恭弥の連絡先知らないから教えてよ。」
「いいよ。」
赤外線でゲットしたそれを見詰め笑みを溢す。
「隼人も教えて。」
「は?なんでだよ。」
「僕が知りたいから。」
「…あっそ。」
そう言って出された携帯には自分があげたストラップが付いていた。使ってくれてるんだ…そう思うと自然と笑みが深まった。
「これ、なんか意味あんのか?」
「本数。徐々に減っていってるから、カウントダウンのつもりじゃない?」
「ふ〜ん。」
写真を放り投げ背凭れにダイブした隼人はチラリ恭弥を見た。
「どうせ、テメェが咬み殺すんだろ?」
「当たり前でしょ。」
「なら、考える必要ねぇな。」
そんな二人のやり取りにあらヤダなにイチャついてるんだかと煙草に手を伸ばした。
以前自分は邪魔かと聞いたらいない方が邪魔だと意味の分からない事を言われた。
まあ、二人が気にしないならとこうして此処にいるのだがどうなんだろう。
この年でそういった事に興味がないなんて嘘だろう。だからと言って学校でそういった行為をするのはどうかとも思うし…。
まあ、二人の事だ。放課後イチャついているのだろう。
そういう事で思考を中断し煙草に火を点けた。
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