頂き物
□マザーグース2
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「此処が…日本…。」
イタリアとは違い何処か素朴に感じる風景に思わず笑みを浮かべる。
此処がパパとママの故郷…そして、うちが産まれた国。
産まれて直ぐにイタリアへと移住した自分にとって日本は全く知らない土地だった。
だけどどうしてかな?懐かしいって思うのは。
今日から四年、うちは此処で暮らすんだ。
「おいおい、何ボサっとしてんだ?」
具合が悪いのかと心配するシャマルに小さく首を振る。
「いい町だなって思ってさ!」
「…そうだな。」
心配性なノーノはシャマルを同行させてくれた。ホントは貴方に来てほしかったって言ったら、多分困るんだろうな。
我儘は言わない。だってノーノは責任を感じているから。
どんなに違うって言っても彼は自分を責め続けるのだろう。
これはうちの弱さが招いた結果。離ればなれになってそれに堪えれなかった弱い自分。
でも大丈夫。
今回はいつでも帰れるんだから。うちは、ちゃんと愛されてるんだから。
右手を掲げればそこにはボンゴレリングとノーノに貰った指輪が嵌められている。
ノーノは何も言わなかったけど気付いてしまった。
これは雲と霧のリングだ。そんな粋な事をするノーノにクスリ微笑んだ。
「うちを守ってね、ノーノ。」
リングにキスをし扉を開いた。
立派なマンションは何から守っているのか警備が頑丈だった。
愛されてるな、とは思うが3LDKの広すぎる部屋は一人暮らしには寂しいものがある。
まあ、ノーノが遊びに来てくれるのであればこれくらいで調度いいのかもしれない。
そう思い早速新しく買って貰った携帯を操作する。
「あ、ノーノ!着いたよ!」
大丈夫、うちは一人じゃない。
棚橋麻里十八才
所持金 一兆五千億
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