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□大空の母
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【日常】

若菜「ツナ〜?早く起きないと遅刻するわよ〜?」


二階にいる息子の綱吉に声をかける。


綱吉「んなぁ〜〜!遅刻しちゃうよ!」

どうやらやっと起きてくれたみたいだわ。二階からバタバタと忙しなく動いているみたい。


若菜「早くしなさい。朝ご飯が出来ているわよ?」


綱吉「ご飯なんて食べてる暇なんてないよっ!行ってきます!」


お弁当を持ってバタバタと行ってしまった。


本当、落ち着きのない子ね。


若菜「これから二年生になるのに困ったものね。どうしようかしら?」





私は沢田若菜。世界を飛び回っている夫と息子一人がいる主婦です。


でも、ただの主婦じゃないの。


実は、私には前世の記憶があるの。


私の前世は奴良組という妖怪仁侠一家二代目総大将の妻をしていたわ。前世の名前は【奴良若菜】。人外の旦那と息子が家族だった。旦那は直ぐに亡くなったけれど、奴良組のみんなや、義父さんや息子のリクオがいたから寂しくはなかった。


リクオが三代目を継いで、結婚して孫の顔を見てから私はこの世を去った。


やっと鯉伴に逢えると思っていたけど、目を覚ましたら赤ちゃんに生まれ変わっていたの。


何が何だか分からなかったわ。


大きくなって浮世絵町を探したけど、そんな町名はなくて、ここが前とは違う世界だって理解するのも時間の問題だった。


その後の事は割愛します。


今は幸せよ?


旦那の家光はいないけど、定期的に電話くれるし、綱吉がいるもの。


だから私は幸せよ?


問題は綱吉のこれからについてね。



何かないかしら?
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