ヴァンパイア騎士 夢
□羨望
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『枢』
窓の桟に腰掛けた状態で、私の存在に気付かない枢を呼んだ。
「いつからそこに居たんだい?
窓際は冷えるからこっちにおいで。」
枢から温かい紅茶を勧められたけど、生憎寝れなくなりそうだから遠慮する。
「じゃあ、ホットミルクをいれるよ。」
『お願いするわ。』
相変わらず、心配りが出来る所は変わらない。
『お土産を持ってきたのだけど…あの子達がこんなに集まってるなんて。』
ワイン一本をあの子達―貴族階級以上の吸血鬼達で分けるなんて
グラス半分も満たないだろう。
「……ねぇ、莉緒。」
コポコポと音を立てながら、ホットミルクが二つの容器に注がれる。
枢もホットミルクなのね。
昔から紅茶と血液錠剤くらいしか
飲まなかったのに。
「あぁ、君と同じ物を飲みたくて。」
私の視線に気付いた枢が言う。