Brothers Conflict 夢

□落とし物の拾い主
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『お疲れ様でーす!』

「はい、お疲れ様ね!」


お昼時でガヤガヤと賑わう店内を見て、罪悪感に刈られながらバイトを定時から五分遅れであがる。
出来上がった料理を横目にお腹すいたな〜、と考えた。

今はラーメン屋で働いている。一つ前は喫茶店、その一つ前は服屋、そのまた一つ前はコンビニ。コンビニ前は短期バイトが主だったり。
いよいよ履歴書に書けなくなったバイト歴に眉を下げたくなる。

『お?』

制服から私服に着替えている時、携帯がメール受信の光を放っている事に気付いた。
メールは棗からで、携帯からでも目が痛い様な白い光と我が妹に赤髪の義弟。添付された画像を先に開いたが、本文も拝見。

『……楽しそうだな、』

言葉少なではあるが楽しそうな文面に羨ましさが募る。
今日は家族でスキー場へ。右京ママと受験生、部活に仕事の勉強の人意外はお留守番だ。私はバイトの人で、同じくお留守番。

『お昼もさぞかし美味しいものを食べてるんだろうな……』

怨みを込めながらメールに返信し、バイトの控え室を後にする。
そこで、突然良いことを思い付いたのだ。

















「で?良いことってこれなの?」

目の前に居る義弟はいつもの様子と違い帽子にサングラス姿でふてぶてしい態度をとっている。ふてぶてしい態度は元々だけれど。

『スキー組が羨ましくて、こっちも楽しい雰囲気の写真を送ってやろうと思って……』

という事でお仕事の勉強を自室でしていた風斗とお昼を食べに来ている訳で。一番最初に祈織くんを誘ったんだけど勉強が勢いに乗った所だから、と丁重に断られてしまったのだ。
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