ヴァンパイア騎士 夢
□血縁
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ゴソゴソと、音と気配で起きた。
『零…?』
動く気配は零の物で、警戒心はゆるゆると解けていく。
「朝だ。
まだ起きる時間じゃない。」
そう言って零は、制服を着ていく。
あぁ…私、零の部屋で寝てしまったのね。
『大丈夫。
私は平気よ…?』
何かと不器用ながら気遣ってくれて、私の気持ちも理解してくれてる。
「……行くのか。」
言わなくても分かる関係が嬉しくも、その反面、
あくまでも疑問系なのに、その声には重みがあって。
『えぇ、もう気付いているだろうし…。』
支度を終えた零に近寄れば、抱き寄せられる躯。
昨夜と逆ね。
何て思っていたら、首筋に冷たい感触が降る。
ちゅ…
軽快なリップ音とは似つかわしい雰囲気に、私は笑いだしてしまう。
『ふふっ、ふははっ…!』
我慢していたのだけど、肩が揺れていたので零にバレてしまった。