華アワセ 夢

□鬼札の愛人
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夢を見たの。



そう言って切り出し、会話をしたい桃色の髪の友人は居ない。
百歳は今日転入して来る泉姫候補に付きっきりだ。


『新しい泉姫候補、ね…』


いつもは口に出して言う事も億劫であるのに、どうしてか独り言が。

鬼札が居なくなって数日後、泉姫候補といろはが接触し、彼女は学園に来た。
その時ちらりと彼女を観察してみた。


容姿は平常値。まぁ、地味な顔なりに努力しているのだろう。
(百歳や五光を見慣れているせいか、評価は厳しめだ。)
スタイルは良い。
手足は細いし、唐紅が喜びそうな体型をしていた。

問題は、頑固そうなあの性格。
彼女は頑固で高飛車そうだ。



はて、鬼札を覚醒させる事が出来るのだろうか。
いや、何としてでも彼女に目覚めて貰おう。私の、為に。



『会いに……』


たまには、自ら百歳の元へ行くのもいいかもしれない。
久し振りに講堂へ行って生徒の前に出てもいいかもしれない。


そんな事を思ってしまうのも、今日見た夢の影響だな。
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