短編
□結果。
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「のぞみ。」
「嫌。」
「のぞみ。」
「ヤダ。」
「のぞみ!」
「いーやーだ!」
「何故だのぞみ!ただちょっとするだけじゃないか!」
「いやいや"ちょっと"とかの問題じゃないから!すること自体が問題だから!ここ一応公共の場だしもし誰か来て見られたら恥ずかしいから!」
「そんな事は些細な事だ!
見られたら見られたで見せ付けてやればいい!」
「なんかもうどこまでも無茶苦茶だよこのリーガー!
ていうか壁のほうに追い詰めるの止めてくれるかな!?」
じわじわと逃げ場がなくなっていき内心焦る。
しかしドン、ととうとう背中が壁に当たってしまう。
そして目の前にはアルコールオイルですっかり出来上がってしまっているマグナム。
結論を言うと、"逃げられるわけがない"!
「何この究極の八方塞がり!」
「ふふふ…さあのぞみ!諦めて俺とキスをするんだ!」
と、色々暴走しまくりそして多分欲望全開で迫られる。
お酒って本当怖いと思う。
「わー?!むりむりむり恥ずかしいから!ちょっ、迫ってくんな!」
必死でぐいぐいと肩を押し返す。
が。
「…、そんなに嫌か?」
すると突如、しゅんと肩を落として子犬のようなうるうる目で見つめられてしまう。
破壊力抜群のマグナムのその目は反則に近く(というか反則)、「う…。」と思わず怯む。
「隙あり!」
そしてガバアッとのぞみに抱きつき、逃げ出さないようにホールドした。
「っぎゃあああ!?おいコラ今の完全に卑怯だろ!正々堂々の精神どこ行った!」
「これは試合でもスタジアムの中でもないから全然大丈夫だ!」
「言い切りやがったよこの大福!
ていうか離せ!」
「だが断る!」
「拒 否 ん な !」
そう突っ込みながら、なんとか脱出しようと身を捩る。
がしかし当然マグナムの力に敵うはずもないので無駄に終わる。
ぜーはーと肩で息をしながらのぞみは恨めしそうな目で大福をげふんげふん、マグナムを見やる。
「くっそ、リーガーって、何でこんな、力強いんだ…!」
「観念するんだ、のぞみ。
ほら…こっちを向いて。」
そう言いながら、マグナムは有無を言わせずくい、とのぞみの顎を持ち上げた。
嫌でも視線が合うことになり、のぞみはかぁあああっと顔に熱が集中するのを感じた。
「わっ、ま、待って…!」
「待ったは無しだ。」
「――っ…!」
次の瞬間には、すぐ目の前にマグナムの顔があって。
何が何だか分からず頭の中が真っ白になっていると、優しいリップ音と共に、柔らく心地の良い感触が唇に伝わった。
結局最後にはまんまと口付けられてしまったのぞみであったが…口付ける直前、妖艶に微笑んでいたマグナムの瞳は、完璧に狼の"それ"だった。
その後、2人がどうなったのかは…――ご想像にお任せします――。
結果:食べられた。
2015.2.24
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マグナムって酔ったらどうなるんだろう→なんか暴走しそう→じゃあ暴走させてみるか
で、出来上がりました(笑)
なんか今まで書いた短編で一番順調に書き上げられました、さすがマグナムw(←