短編
□金属バット
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「ちーっすのぞみちゃーん!遊びに来たよー!」
「あ、ウェイドさん!いらっ、しゃ…ぎゃぁあああああああああああああ!!?」
今日も今日とてやって来た訪問者の声に笑顔で振り返ると、そこには背中に剣が刺さりまくっているデッドプールがいた。
「え、何々何で俺ちゃん見て悲鳴上げてんの?!」なんて、訳が分からないよ/人○ ω ○人\とキョトンとしているこの赤い変態ツは、全くもって本気で阿呆だと思う。
「何でじゃないですよ何でそんな状態で来たんですかあッ!」
「あ、これ?だって俺ちゃん不死身だからさあ。抜くのも面倒だったし早くのぞみちゃんに会いたかったからこのまま来ちゃった!」
「色々可笑しいと思うのは私だけですかね!?ていうかそこ面倒がるところじゃな…いやぁああああああああ!?剣が突き刺さったままこっち来ないで下さいよ馬鹿ァアアアアアアアッ!」
「あ痛ぁあああああ!?」
あまりに壮絶すぎる(そして怖すぎる)その光景に、のぞみは涙目になりながら何処から出したのか分からない金属バットでデッドプールのことを殴り倒した。
なんかもう軽くトラウマになりそうだ。
「痛ってぇえ…!もうのぞみちゃん、何も殴ることないだろ!」
「正当防衛ですっ!そんな状態で来られたら誰だってぶっ飛ばしたくなるでしょうが!」
「いや、普通逃げると思うぜ?」
「どっちでも良いです!ていうか相手が逃げるような事だって分かってて近づいて来たんですか?!」
「ピンポーン!だって涙目ののぞみちゃんってスッゲエそそられるから!」
あはーなんて呑気に笑うデッドプールに、次の瞬間のぞみは満面の笑みを顔に浮かべた。
「ウェイドさん、とりあえず何日か眠ってて下さい。」
「えっ?のぞみちゃん?何でそこで笑顔で金属バット振り上げ、ごふぅっ!!?のぞみちゃん?!痛、っで!?ちょっ、タイムタイム!俺ちゃん倒れてるんだけ、どへあっ!?何この容赦のなさッ!」
「自業自得!ですッ!」
カァアアアアンッ!
そうして最後の一撃として、のぞみはデッドプールの大切な場所を渾身の力を込めてアタックした――ご愁傷様です。
まあ超回復能力を持つ彼なら恐らくきっと大丈夫だろう多分。
「――ッ!!?…ッ!…ッ!!」
声にならない悲鳴を上げて床をのたうち回る彼に、のぞみは満足げに笑みを浮かべ、涼しい顔で夕食の準備を始めたのであった。
ちなみに…、
「何この状況。」
たまたま近くを通りかかってのぞみの家に遊びに来たスパイダーマンは、目の前で繰り広げられる凄まじい光景にただ茫然と立ち尽くすばかりだった。
「あ、スパイディーいらっしゃい!今ウェイドさんのことシバいてたの!」
「うん。まあ何ていうか、多分120%ソイツが原因なんだろうけどさ、それって絶対笑顔で言うことじゃないよね。」
心の中でデッドプールに合掌しつつ、「とりあえずその凶器どこかに仕舞ってくれないかな?何だか凄い恐怖を感じるんだけど。」と彼は無意識に自分の急所を庇いながら、のぞみの手元を指差したのだった。
2015.02.08
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とりあえず、何かごめんデップーさん(笑)(←
ショッキングすぎる光景を見てしまった夢主は、まるで悪夢を祓うが如く彼に向かって金属バットを振りかざしたのであった…。(←←←
すみませんw
時には夢主に逆襲(笑)してもらう話もいいかなーと思って書いてたらこんな事になりました(笑)