短編

□所謂○○と言うものです
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 〜DWネタ〜





「ねえねえのぞみ!貴方とスパイダーマンって一体どういう関係なの?」

「Perdon?」

「だからさ、貴方たちってすっごく仲良いじゃない?もしかして恋人か何かなの?」


「…Perdon??」



 しばし視線を逸らして横の方を見ていたかと思うと、ゆっくりと首をもとに戻して真顔で再び聞き返してきたのぞみ。
 その様子に思わず吹き出しそうになるも何とか踏ん張るジェシカ。



「もう、意味分かってるんでしょ!ふざけてないで教えなさいよっ。」

「た、ただの友達だってば。」

「本当に?」

「本当だってば…。」

「ふぅうん。そっかー、友達ねえ〜?」



 にやにやと笑いながらこちらを見つめてくるジェシカに「ワスプ、この子どうにかして。」とSOSを出す。



「ごめんなさいね、そこら辺は私もちょっと興味あるのよ。」

「うわ、そっち側だった…!」



 思わずその場でガクリと膝をついた。



「で、どうなの?」

「観念して教えちゃいなさいっ!」

「だ、だからただの友d「違うね、友達でも何でもない、ただの知り合いの間違い。」わああ!?デップーさんいつの間に!」



 ついさっき「ちょっと出かけてくるね!」と出て行ったばかりの彼が突然自分の背後から現れた。



「うわ出た!」

「おいジェシカ、"うわ"って何だよ。」

「貴方今までどこに居たの?」

「企業秘密。とにかくそれ以上追及しないでくれない?つーかさあ、アイツがのぞみちゃんの恋人だったら俺ちゃんは何よ。」

「えーだってアンタの場合完全に一方的じゃない。反対にスパイダーマンとは本当に両想い〜って感じだし。」

「ハア?何言ってるんだよ!俺ちゃんとの方がラブラブしてるっつーの!」

「さあ、どうかしらね。」

「あ、あの2人とも…。」



 雲行きが怪しくなってきておろおろとするのぞみを見兼ね、「ちょっと、止めなさいよ。」とワスプが宥める。
 しかしジェシカはともかく、デッドプールがそれで引き下がるわけもなく、



「アンタだって問い詰めてたろ。」



 と反発する始末である。



「そりゃそうだけど…。」

「ていうかデップーさん、スパイディーは私の友達ですよ。ただの知り合いだなんて言わないで下さい。それにジェシカの言ってる通り私たち本当に恋人でもないじゃないですか。」

「何だよのぞみちゃんまで!グレるぞ俺ちゃん!」

「良い歳して止めて下さいよ…デップーさん大人でしょう。」




 まったくもう、と目頭を押さえるのぞみを見て、「あーもう…メンドクセエ!」と彼は突然のぞみの腕を掴んだ。



「わっ!ちょっとデップーさん!」

「外だ外!外に行く!」



 掴んだ腕をぐいぐい引っ張っていくデッドプール。
 背後で聞こえる2人が咎める声もガン無視し、そのままのぞみと外に出て行った。



「あーあ、行っちゃった。」

「もう、子供なんだから。」






 








「もう、デップーさん!デップーさんってば!何処に行くんですか!」

「ラブホ。」

「ッ!?」

「イテテッ!嘘嘘冗だ、痛ッ!冗談だって!」

「貴方の場合冗談に聞こえません。」



 全力で彼の体中を蹴りまくったのぞみは少しだけ眉間に皺を寄せながらふい、と顔を背けた。少々機嫌を損ねた様だ。



「だってのぞみちゃん、いっつも俺ちゃんとは恋人じゃないなんて否定して来るから。」

「恋人じゃないのは事実でしょ。」



 ほらまた言った!と口を開く。



「それってスパイディーと同じただの"友達"ってことだろ?俺ちゃんはこんなにのぞみのこと大好きなのに!」



 ぎゃんぎゃん叫んでくる彼(正直のぞみじゃなかったら耐えられない)にも引かず、のぞみはほうと1つ溜息を吐きそして言った。



「…でも、好きじゃないとは言ってないでしょう?」

「へ?」

「だから、私たちは恋人じゃないですけど…その、スパイディーのは…。」

「?」

「…っす、スパイディーとデップーさんとじゃ、また違った…"好き"、なんですよ…。」



 かぁああっと今までに見たことのないくらい顔を真っ赤にして俯きがちにポツリと呟かれたその言葉に、彼はきゅるんと目を丸く見開いた。
 そして次の瞬間、彼の周りはぱぁああ!とキラキラしたオーラに包まれた。

 実際目に見えるのだから不思議である。



「それってもしかして俺ちゃんのこと異性としt「あぁああああ黙ってて下さい!」へぶっ!」



 照れ隠しに両手で彼の口(正確にはマスク越しだが)をガバッと押えた。
 いつもはこうすると不満げに声を上げる彼だが、今はそれすらもせずただ嬉しそうににっこにっこと笑っている。

 ぱっとのぞみの両手を軽く掴んで口から退けると、「のぞみちゃん!」と顔を近づけた。



「俺ちゃん今超幸せ!」

「ッ!?」



 マスク越しに額にキスをされ、のぞみは逃げ出そうとわたわたと暴れ出した。
 しかしこれも実は照れ隠しである。

 それを分かっているデッドプールは最後に一言満面の笑みでこう言った。



「俺ちゃんものぞみちゃんのこと大好き!つーわけで俺ちゃんとにゃんにゃんしようぜ!」


「なんでそうなるんですかぁああああッ!!」



 雰囲気ぶち壊しも良いところな彼の発言。まあ彼らしいと言えばそうなのだが。

 今度は照れ隠しでも何でもなく本気で逃げ出そうともがくのぞみ。
 しかし当然ながら力で彼に勝てるわけもなく、逆にひょいっと抱き上げられてしまった。
 勿論、最近アベンジャーズでも定評(笑)のお姫様抱っこで。



「わぁあああ!降ろして下さい止めて下さいぃいいいいい!」

「無理!恥じらうのぞみちゃんの姿に俺ちゃん我慢出来なくなっちゃった!」

「畜生言わなきゃ良かったよッ!!」

「大丈夫大丈夫!ちゃーんと気持ち良くしてアゲルから!」

「そういう問題じゃなぃいいいいい!!」



 のぞみの叫びと抵抗虚しく、彼女はあれよあれよと目的地に連れて行かれてしまうのだった。
























「(…あれ?そういえばあの時、デップーさんって…。)」



 もはや無意味だと悟り何の抵抗もせず大人しく彼の腕に収まっていた頃、先程プチ喧嘩をしていた時とは打って変わり上機嫌な様子で隣を歩く…というか自分を抱き上げながら"例の場所"に向かっている彼を見上げた。
 自分とスパイダーマンがまるで恋人のようだとジェシカに表現された時、もしかしたら、彼は…。

 そんな“ある事”に気が付いたのぞみは、こんな状況下にありながらも自分でも気づかぬ内に口元を緩めていたのだった。












――所謂嫉妬と言うものです――
















 もっとも、目的地に着いてからは散々泣かされる羽目になるのであったが。










「いい加減、"加減"というものを覚えてくれませんか…。」

「だーってのぞみちゃんメチャクチャ可愛いんだもん!」

「さいですか…。」

















2014/09/16
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実は両想いでした、なんて…(笑)

夢主はどう抵抗してもデップーさんには決して敵いません。よっていつも最終的に夢主の方が折れる事になるんですねw
最後若干勢いでにゃんにゃんしちゃうデップーさんですが、夢主も心の底から本気の本気で嫌がってるわけではありません。好きですからね彼のこと!
でも彼ってまあ、加減を知らなさそうなので…(笑)
いやはや(←

 

 

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