短編

□ポッキー
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「…。」

「…。」



 現在ポッキーゲーム中ののぞみとマグナム。
 ちなみにポッキーはリーガー用のを使っている(人間用のだとリーガーには小さすぎる)。

 ある程度の長さ…というか唇が触れ合うかどうかくらいのギリギリの所まで来ると、そのまま両者一歩も引かずにお互いをジッと見つめ合った。


 意外と負けず嫌いなのぞみは「早く負けて」と言わんばかりの眼差しを彼に送っている。



「お前らいつまでそうしてるんだよ。」



 と2人の激戦(笑)を観戦しているうちの1人のウィンディが突っ込んだ。



「そうヨ、ミーたちものぞみとポッキーゲームやりたいネイ!」

「いい加減どっちか折れたらどうなんだ…。」



 そんな事言われてもここまで来たら意地でも負けられない、と思ったのはのぞみの方。

 マグナムはと言うと、一瞬にちらっとウィンディたちと目を合わせ、そしてまたのぞみの方を見た。
 何やら意味深である。


 そんな彼を「(今一体何考えてたんだろう、)」とのぞみは不審がった。



 と、次の瞬間、



「っ、んぅ!?」



 咥えているポッキーを自分からへし折ったかと思ったら、がしりとこちらの後頭部を押さえ突然口づけてきた。

 荒々しくも優しい、溶かしてくるような彼の口づけ。
 逃れようにも逃れられず、口の中には甘いチョコの味が広がっていった。



「お、おいっ!」

「マグナム、お前…!」



 まさかの光景に一瞬ヒューズが吹っ飛びかけて遅れて反応するウィンディたち。
 しかし彼はお構いなしに、むしろ楽しんでいる様子で彼らに見せつけているようにして続けた。



 次第に深くなっていく口づけにのぞみは力が抜けていき、腰砕けになる。



「ん…、ぁ…んっ…!はぁ…!」

「、は…っ。」



 苦しい、と酸素を求めて彼の胸を押しやるとようやく解放された。
 肩で息をしながらへにゃりとその場にへたり込む。

 抗議するかのように彼を睨んだが、全くものともされず「ははは。」と笑って返された。



「ま、マグナム!お前いきなり何やってるんだよ!」

「そうネイ!しかもさっきのディープヨ!」

「くっ、先を越されたか…!」

「十郎太…。」

「まったく、隙あらばこれだもんなあ。」

「マグナムだけズルい。」

「だが早く終わらせろと言ったのはお前たちだろう?」

「確かにそうだけど誰もキスしろだなんて言ってないだろ!つーかドヤ顔で言うなよな!」

「なんかセコいネイ…。」



 マグナムたちがワーワーと騒いでいる傍ら、のぞみは耳まで真っ赤に染めながら俯いていた。

 そっと、自分の唇に触れる。



「(…ちょっと、気持ちよかった、とか…。)」



 火照った体のまま伺うように少しだけ彼のことを見上げると、してやったりな顔でこちらを見下ろす彼と目が合った。



「(確信犯…っ!)」



 こちらの反応を見越して口づけてきたらしい彼に、のぞみはバッと視線を逸らした。
 まんまと彼にしてやられ、のぞみは再び顔を赤らめた。

 一瞬でも、気持ち良かっただなんて思った自分が恥ずかしい!











「のぞみ、顔が真っ赤だぞ?」

「マグナムの所為でしょッ!!」












2014/10/14
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夢主がこういう反応をする&きっとこういうことを思うはず、というのを見越して夢主に口づけました(笑)
自分のことだけを素直に感じて欲しい、という思いからこうしてじわじわと夢主を洗脳していくマグナムでしたw

好きな子にはちょっと押しやらSっ気が強い拙宅のマグナムです(しかし反面夢主からの押しには弱い)(←


 

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