短編
□化石
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とある惑星にて。
人間でも適応できる環境ということで、今回は特別にのぞみも連れてきてもらっていた。
デストロンもいないようなので自分の近くでなら、という条件で好きに遊ばせているビッグコンボイ(他のメンバーはアンゴルモアカプセルを捜索中である)。
と、何故かのぞみが、突然嬉々とした表情でこちらにリターンして来た。
「ビッグコンボイ!あたしビッグコンボイの化石見つけた!」
『は。』
衝撃的すぎる彼女の言葉に彼はぴシリと固まった。
『待てどういうことだ、俺は化石になった覚えはないぞ。』
「あははは!ごめんごめん一旦ごめ…げふんげふん。危ない危ない、
某妖怪アニメのネタを言うところだった。」
『は?』
「うぅん何でもない。あのね、これ!」
きらきらした笑顔で掲げてきたのは白くて先の尖ったものだった。見たところ骨らしい。
今この瞬間までその存在に気付かなかった自分が不思議でならなかったが、
己の身の丈とほぼ同じサイズのそれをダッシュで持って来れた彼女はなかなか強者だと思う。
『それは…牙か?』
「うん多分!」
『(多分か。)で、どうして持ってきたんだ?』
「違うよ、掘ってきたの!」
『一体何をどうすればこの短時間でそんなことが出来るんだ。』
「あれをこーしてこうやって。」
『分かった、聞いた俺が馬鹿だった。だが何故牙なんて…邪魔になるだけだろう。』
「だってこれ、大きさ的にマンモスじゃん?」
『?そうだな。』
「ビッグコンボイってマンモスに変形するじゃん?」
『ああそうだ、…ん?』
可笑しな繋がり方に思わず首を傾げた。
確かにそうだが、それがどうしたと言うのだろうか。
「同じマンモスだからね、部屋にでも置いといたらビッグコンボイといつも一緒にいるように思えるなーって。」
『、…っ。』
えへへと可愛らしく笑うのぞみに、ビッグコンボイは顔を片手で覆った。
顔が熱い…いや、体中が。
本人に深い意味はないのかもしれないが(自分としてはあって欲しいが)、彼女は時々こうやってに素晴らしい爆弾を投下してくれる。それも無意識なのだから質が悪い。彼女自身がそういった事に疎いので余計に拍車が掛かっている気もする。
あの彼ですら、彼女の"無意識"には毎度毎度振り回されているくらいなのだ。
『(溜まったもんじゃない。)』
今生徒たちがいなくて本当に良かったと思う。
…そうでなければ、この火照った顔を見られていたところだ(あとブレイク辺りがからかって来るはずだ)。
「ビッグコンボイどうしたの?」
大丈夫?と顔を覗き込んできたのぞみに、『な、何でもない。』といつものぶっきら棒を装いふいと顔を背けた(しかし第三者から見ればバレバレである)。
「でも顔赤いよ?」
『気のせいだ。』
「でも…。」
『気 の せ い だ 。』
ずいっと顔を近づけ念を押してそう言うと、少し不服そうな顔で「うー。」と唸られた(だがそんな顔も可愛い)。
「…分かった。」
『それでいい。』
「じゃ、牙部屋に置いて来るね。」
『ちょっと待て。』
ぐわし、と自分より何倍も小さなのぞみの体を鷲掴んだ。
「うわっ!?な、何っ!」
驚いて目を丸くする彼女に、ビッグコンボイは目頭を押さえた。
『あのな、のぞみ。』
「うん?」
きょろきょろと辺りを見回し、他に誰もいないことを確認する。
『…そんな事をするくらいなら、俺に直接言え。』
「え?」
『ナビから聞いたぞ。…寂しいのなら俺のところに来ればいい。一緒にいてやる。』
お前だったらいつだって大歓迎だ、と付け足したビッグコンボイに今度はのぞみがぽう、と頬を染めた。
「い…いいの?」
『ああ。…顔、赤くなってるぞ。』
「ち、違うもん!」
カアアッと更に顔を赤く染める彼女に、ビッグコンボイはしてやったりな顔になった(マスクでよく分からないが)。
やはり、こうでなければ。
彼はいつだって、彼女との事に関しては自分が有利にいたいのだ。
「今絶対笑ったでしょ…。でも本当にいつでも…?」
『ああ。』
頷いた瞬間、ぱああっと顔を輝かせて「ビッグコンボイ!」と凄い勢いで抱き着かれた。
首に腕を回すのぞみを慌てて手で支えると、次の瞬間彼女は極上の笑みでこう言った。
「じゃあずーっとビッグコンボイといたい!」
『なっ!?』
いつだって自分が有利にいたい。
しかしそれは当分無理ならしい、とビッグコンボイは内心悶えながら開いてる方の手で再び顔を覆った。
――だってね、あたしビッグコンボイのこと大好きだから!
そうしてカプセル探しから返って来たブレイクたちにこの様子を目撃され、一頓着あったのはまた別の話である。
『あー!ビッグコンボイってばのぞみとイチャついてやがる!』
『ホントだ!』
『何だよ、前はのぞみのことは何とも思ってないとか言ってたクセにやっぱり気があんじゃねえのか?』
『お前ら…。』
『(飛び火しないうちに逃げるんだな〜。)』
「違うよ。あたしが寂しいからね、ビッグコンボイが一緒にいてくれるって言ってくれたの。」
『『え?』』
「あたしもビッグコンボイのこと大好きだからね、一緒にいるの!」
『『えっ?』』
『(面と向かって堂々と言うか普通…。)』
2014.08.30
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そんなこんなで出来上がった初ビッグコンボイ夢ですw
みんながカプセルを探しに行く時や戦闘時はいつもガンホーの中でお留守番な夢主。
他にもお留守番要員とかいたりすることがあるけど、ビッグコンボイじゃないと何だか満たされない。
突然の告白。彼のことが大好きな夢主でした(笑)
ちなみにビスウォシリーズでは、夢主の(精神)年齢はちょっち低めに設定してます。