宇宙(そら)のカミサマ

□一年 一学期
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第一話:プロローグ


「おはよう」
俺は誰に言うわけでもなく呟いた。
「う〜ん。いい朝だな〜」
本当にいい朝だ。
……っと、俺は伊藤(いとう) 乙葉(おとは)。
どこにでもいるただの中学三年生でここ、梅雨市にある氷雨神社の神主見習いだ。……もっとも、中学はもう卒業したが。

ピンポ〜ン♪

っと、誰か来たな。
髪とかを整えて……
「はい。どちら様でしょうか?」
誰か分からないので言葉に気をつけて言う。
『乙葉。今日は入学式だ。早く行かないか?……出来れば一緒に(ボソッ)』
と言ったのは幼なじみの昴(すばる) |神流(かんな)。家の神社の巫女見習いである。
……って、え?今、なんて言った?」
『だから、今日は冷雨高校の入学式だ。今は7時30分だから、後30分後に始まる』
声に出てたようだ。って、え?入学式?
……急いでカレンダーを確認する。今日、4月5日には――
「や、ヤバイ!」

“私立 天陽高校、入学式”
  8時00分〜     

と書いてあった。
『……私は先に向かう。遅れるでないぞ』
なんか神流の機嫌が悪くなった気がするが、そんなことは気にしない。俺は速攻で着替えて、ダッシュで学校へ向かった。……時間は7時49分!ギリギリ行ける!!

――こうして俺、伊藤 乙葉の、普通よりもかなり内容が濃い高校生活は、始まった。

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