『大好きな嘘』

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…200階に到着し、エレベーターから出たゴンとキルアは戦慄していた。

受付の場所に向かいたいのに、何か嫌な感じが通路にある。

まるで真夏の陽炎のような情景が彼らの目の前で起こっている。

踏み出す一歩一歩は徐々に重さを持っていく。

確実に自分達に向けられるそれは殺気。

誰かがそこに居て、自分達の行く手を阻んでいる。

闘技場の職員らしき女性が向こうの角から現れたが、まさかこの殺気は彼女から来ているのだろうかと、考えられないこともない可能性を考えた。

少し遠い位置から彼女の説明をきき、そして威圧感の中、再び角から現れた人物に2人は目を見開くことになる。

「「ヒソカ!!?」」

奇抜な服装、メイク、それは忘れもしないハンターの同期でもあるヒソカ。

その瞬間何となく確信はついていたが、案の定自分達に向けられていたのはヒソカの殺気だった。

2人を待っていたというヒソカの言葉。

電脳ネットで飛行機のチケットを手配した彼らを調べ、あとは自分の私用船で先回りして後をつけるという、なんともストーカー紛いの行動をしたというヒソカに、色んな意味で背筋が冷たくなるのを感じた。

「そこで、ここの先輩として君達に忠告しよう◆このフロアに足を踏み入れるのは、まだ早い◇」

ヒソカが手で払うような仕草をしたかと思えば、あまりの威圧感に2人の身体は下がってしまう。

ここまで来て、此方も引き下がるわけにはいかない。

「…全く、ヒソカも人がいいですね。」

カツカツと、近づいてくる足音。

「無垢な子供をいじめて、何を楽しんでいるんですか?」

「!レイレさん!?」

ヒソカの隣に並んだ人影にゴンは声をあげる。

レイレをみたキルアの顔が苛立ちに歪んだ。

「元気そうですね。ゴン君、キルア君。」

「なんであんたまでここにいるんだよッ!!」

「まあ、そう気を荒げないでください。」

あくまで落ち着いた口調でレイレはキルアを制す。

「あ、誤解されると困るので言っておきますが、ボクと君達の再会は偶然。ヒソカとあったのもここ最近のことで別にずっといたわけではありません。」

「嘘つけ!そんな偶然に重なる偶然なんてあってたまるか!!」

断固として信じないキルアにやれやれと首を横に振りつつ、レイレは溜め息を1つついた。




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